畑中政昭公式webサイト

指定管理の議案が続きます。

消費税増税に伴い、指定管理の民間業者が増税分を転嫁できるように利用料などの上限を改正する議案が審議されています。

10月から8%から10%に増税されているのに、民間業者は2%分を利用料等に転嫁できていない。
もしくは、5%から8%に増税されていたのに、民間業者は3%分を利用料等に転嫁できていない(民間業者が負担していたり、協議のうえ市が精算していたりしていた)。

この放置していた増税分を適性に転嫁できるように「利用料の上限をあげた」というのが、今回の議案の本質です。
ちなみに、国からも「指定管理者が増税分を利用料で取れるように」と通達があります。
まぁ、増税を推進している国からですからね…。

とはいえ、利用者目線からすると「値上げ※民間業者が値上げした場合」に見えてしまいます。

ここで、審議においても対立軸が生まれます。

「利用者目線に立って値上げは据置いて」と「増税分を民間業者に負担させるのはよくない」です。

値上げは誰だって嫌なのですが、私が重要に考えているのは、指定管理における主体のバランスです。
言うまでもなく、指定管理とは「事務委託」ではなく「管理委任」です。
行政(主体)→民間業者(客体)の関係ではありません。
行政の言いなりではない関係性というところに、指定管理の基本的特徴があります。

以前の投稿にも記しましたが、行政・指定管理者・市民の3者が指定管理制度における主体であるべきです。

そして、指定管理に期待される効果は「経費の節減」「民間ノウハウの活用」です。

この機能を最大化させるために、3者の主体がバランスよく公の施設を運営しなければなりません。

そういった背景もあり、増税分を利用料上限に転嫁させ、その上で民間業者に考えてもらうというのは、理解できます。

一方で、高石市の指定管理の問題があります。

それは、ほとんどの指定が「1社(もしくは2社)しか応募がない」という状況。
1社の指定が続けば、応募要領や仕様書がその指定業者の色合いに寄ってしまう可能性だって否定できません。
また、選定の段階で1社しか応募がなければ、比較しにくい、検証しにくい、交渉優位に立てない、競争性が発揮されない、などのデメリットが発生します。

なので、応募業者を確保するためにも、事業者や利用者からの参画を仕様書作成段階から入ってもらうサウンディング型の指定管理を提案しました。
遠回りのようですが、そもそも利用者やマーケットの情報を多く持っているのは民間です。
にも関わらず、情報の少ない行政が仕様書を作るという段階で踏み誤っていると考えます。

そのように民間業者が、そのノウハウをフル活用できる素地を作り、利益をしっかり出してもらう。
そして、行政は管理経費の縮減をし、余剰財源が生まれ、それを市民サービスに活かしていくというのが指定管理の描くべき道筋だと考えています。

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