Ⅰ. 子宮頸がんと子宮頸がんワクチンについて 

 

子宮にできるがんを「子宮がん」といいますが、子宮に入口(頸部)にできるがんを「子宮頸がん」といい、子宮にできるがんを「子宮体がん」といいます。これらは発生場所も原因も発症しやすい年齢も違います。

子宮頸がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるもので、ほとんどの女性が一生に一度は感染するといわれています。
HPVには、100種類以上の型が存在し、そのうち15種類の型ががんとなる「ハイリスク型」といわれるウイルスが子宮頸がんになります。ハイリスク型と呼ばれる型は次のとおり。
16,18,31型,33型,35型,39型,45型,51型,52型,56型,58型,59型,68型,73型,82型,(ときに26型,53型,66型)

このうち、子宮頸がんワクチンが有効とされるのは、サーバリックスが16型と18型に。ガーダシルが6型と11型と16型と18型に効くと言われています(実質、16型と18型)。

つまり、子宮頸がんワクチンでは子宮頸がん罹患の可能性を100%防ぐものではありません。さらに、日本人の子宮頸がんの原因はHPV52・58型が比較的多く、HPV16・18型は全体の約60%ということです。そのためHPV16・18型予防に製造された輸入ワクチンは、日本人には予防効果がさらに限定的であるということも製薬会社が述べていることも特筆すべきことです。(52型、58型に対する予防効果は10%程度)

 

さて、では子宮頸がんの感染に至るまでの経過を追ってみます。

前述のとおり、性交経験のある女性のうち50%~80%は、一度はHPVに感染しています。この事自体は病気ではありません。
15種類あるハイリスク型に感染したとしても、自然免疫で90%が自然排出されます。
残った10%の感染が持続したとしても、90%が自然治癒されるといわれています。
そして、残ったものが前癌病変となります。
子宮頸がんは、感染→持続感染→「軽度異形成→中度異形成→高度異形成」と進行しますが、その過程において、ほとんどが自然に治るがんと言われており、子宮頸がん検診で十分対応が可能です。

 

では、いま問題となっている副反応とその有効性の割合についてですが、下表をご覧ください。

●16型および18型HPVへの感染率および感染細胞が前癌病変に進行する割合(有効性)

 

感染率 or 変異率

10万人当たりの患者数

16型+18型

HPV感染

0.7%

700人

持続感染

0.07%

70人

軽度異形成へ進行

中度・高度異形成への進行(前癌病変)

0.007%

7人

 

●副反応及び重篤な副反応を引き起こす割合(リスク)

 

10万人あたりの発生率

副反応

22.8人

重篤な副反応

10.2人

 

子宮頸がんワクチンがあまりにもリスクが高く、あまりにも有効性がないことが一目瞭然でご理解いただけると思います。

さらに言うと、ワクチンの効果はだいたい10年ほどだといわれています。
子宮頸がんワクチン(効果が最長のサーバリックス)でも9.4年。はたして、小学校6年生~高校1年生のあいだで勧奨接種され、効き目はあるのでしょうか。

子宮頸がんワクチン導入以前の状況をみてみたいと思います。

 

 死因/年齢

~19

20~29

30~39

40~49

50~59

60~69

70~

子宮頸の悪性新生物(人数)

0

24

166

347

451

488

1043

●『平成21年人口動態統計』下巻

 

ご覧のように、若年層の子宮頸がんでの死亡者数はきわめて少なく、ワクチンの有効期間といわれる9.4年では、効果が少ないことがわかります。
亡くなられた方の多寡にかかわらず、未然に防げるがんは防ぐべきなのでしょうが、「子宮頸がん打ちましょう」の宣伝の前に、示すべき情報はこのようにたくさんあったはずです。

 

Ⅱ. 自治体にできること 

 

6月議会開会当初は、上記のリスクと有効性を答弁で炙り出し、子宮頸がんワクチンを接種するリスクをすべて説明したうえで、勧奨接種をおこなうように・・・
と行政に詰め寄るつもりでしたが、ご存知のように議会開会中の6月14日(金)に厚生労働省の専門会議において、勧奨接種の中止という意見が取りまとめられました。なので、急遽、6月17日(月)におこなう予定の質問内容を変更。

14日(金)の厚労省の勧奨接種中止までに質問が回ってきたら・・・と思うと、数奇な運命を感じざるを得ません。

副反応が発症した場合、訴訟対象となるのは、国、自治体、医療機関です。そして、勧奨接種の情報提供は特段、厚労省から指導がないことから、自治体による責任は大きいものと考えられます。

つまり、リスクをキチンと説明すること。

ただ、現実問題として、勧奨接種の中止という決断は、現場の医療機関からすれば「原則接種してはダメ」と解釈されます。(日本脳炎ワクチンのときがそうでした)

しかし、子宮頸がんは検診でも十分対応が可能ながんです。

このワクチン導入は十分な検証、リスクアセスメントがなされず、無責任に勧奨接種が行われたと言わざるを得ません。

 

子宮頸がんで亡くなられる親御さんのお気持ちを考えると胸が痛みます。同じく、行政が勧奨しているとの理由で「良かれ」と思って接種をし、その結果、歩行障害、アナフィラキシー、尊い命が犠牲になるという事態に見舞われた親御さんを想像すると、娘を持つ親として筆舌しがたい苦痛だと感じます。
国政マターとはいえ、このようなことがないよう地方議員としても声をあげていきます。

コメント & トラックバック

色々な意見が飛び交っている子宮頸がんワクチンですが、失礼ですが先生の記述には2点間違いがございます。おそらく表示されている統計は生活の党のはたもとこ氏の主張に基づいているものと思います。しかし、申し訳ありませんが、先生はこのデータの元になっている論文を参照されましたでしょうか?そちらを見て頂ければ、このデータ分析の手法がいかにいい加減で間違っているか、一目瞭然だと思います。

感染率を表すには、「有病率=ある一定時期にその病気の人の数」と、「罹患率=一生のうちにその病気にかかる人の数」という2つの指標があります。10万人に700人の感染率という数字の元論文は琉球大学の論文ですが、これは「有病率」の話です。しかし当然ながら、生涯何度も同じウイルスに感染する場合がありますし、その時点で病気がなくても他の時期に病気になることがあるのです。また、そもそもワクチンは、一生のうちにかかる人を減らす=罹患率を下げるためのもので、有病率が低いからワクチンは無駄、という議論は全く意味がありません(罹患率ならOKですが)。数字は正しいのですが、見たい結果を求めるために使う元データを間違えているのです。
同様に、その論文は「HPVが検出された人」を対象に、ウイルスの種類を調べています。しかし、「HPVが検出される」ということは、「自然排泄されていない」ということです。最初の100万人に700人という数字が、既に「自然排泄された後」の残った人たちを見ている可能性が極めて高いです。つまり、最大で感染率・発症率は、はたもとこ氏の統計より10倍も高くなります。

もう一点の間違いは、「ワクチンの有効期間が9.4年」という点です。「9.4年までは効果があることがわかっている」のみであり、「9.4年で有効期間が切れる」という意味ではありません。この後も持続的に効果は続くと考えられており、実際にどうかというところを現在研究中だ、ということです。日本語の間違いかもしれませんが、全く意味が違うことになってしまいますので、ご注意下さい。

以上のようなことは我々専門家が見れば、一目でおかしい、と気づくことです。それに一般の方が気づかず、騙されるのは仕方がないと思います。しかし、先生のように社会のリーダーでいらっしゃる方が、何の検討もせず、自分で一次情報を調べず、このように中途半端な情報を垂れ流すというのは、非常に情けなく、また影響力から危険なことです。どうぞ、こういったことはもう少しきちんとした分析の上でお話をされるよう、気をつけて下さい。

>医師さま
コメント有難うございます。
ワクチンの有効性と安全性を比較衡量するさいに、有病率と罹患率のどちらを採用するかは議論が分かれているところです。ですので、私の主張と貴方の主張のどちらが正しいかは未来が決めることです。
当然のことながら、子宮頸がんワクチンは一生摂取し続けるワクチンではありません。ですから、有病率か罹患率のどちらを採用すべきかは非常に煮え切らないものであることを、まずはご理解くださいませ。
今の日中関係のように「自分の主張したい史実」に基づいて理論を構築すると、相反する解釈により「見解の相違」という決着点しか見いだせないように、このワクチンの有効性を判断する際の元データもどちらにするかは、どちらの主張に基づいているのかに拠るところが大きいです。
ちなみに、年齢別では若年層は1%ほどの感染となっております。(これが医師様の仰る罹患率だと思いますが)
さて、「ワクチンの有効期間」ですが、この期間は更新されており(以前は6年でした)現時点で9.4年となっています。これは9.4年で有効期間が切れるということでも、9.4年以上有効期間があるということでもありません。すなわち、9.4年という年限が今の医学で分かっている範囲なのです。ですので、この有効期間で効果が切れるかもしれないということも含まれているのです。医師様の仰る日本語の間違いというのは、残念ながら言葉遊びでしかありません。
また、地方議員とはいえ、公開する情報には責任をもたなければなりません。ここで申し上げている情報は行政の答弁で確認しているレベルの正確性はあります。(ちなみに直接厚労省に出向いてのレクでも確認済み)役人が100%正しいとは限りませんが、世間に出してもいいぐらいのチェックはしているつもりです。それをご自分の主張の正当性を証明するために「分析不足」とおっしゃるのは、稚拙な議論の進め方です。専門家のかたでしたら、この議論でなにか生産させるつもりで書いてきてください。
私たちは自分の正当性を証明するために時間を使っていいわけがないのです。困っている方々に、今後どのようなアプローチをすべきか、というところで何かしらの方向性を生み出せるような議論をしましょう。
また、市民の方なら致し方ないご事情も理解できますが、実務であられるお医者様ならお名前ぐらいは隠さないで正々堂々と議論してほしいと思います。この案件に少なからず関与されているのですから。それが難しいならメールでも構いませんので。
乱文失礼しました。
どうかご理解いただければと存じます。

>西取石在住の40代サラリーマン 様
コメント有難うございます。
返事が遅れ申し訳ありません。
仰るように現場で進めてこられた分野においては、責任は問われるべきです。
ワクチンの問題は「正か邪か」「善か悪か」という二元論を展開してしまうと問題解決が進まなくなる恐れがあります。
たとえば、医者が悪い、製薬が悪い、官僚が悪い、とマスコミでバッシングしても、今後彼らは批判を恐れて臭いものにフタをするだけの対処で終わりますし、ましてや技術革新や医学の進歩という前進的で挑戦的なマインドは衰退してしまうでしょう。
それよりも。
「誰が悪い」ということより、問題を解決するにはどうアプローチするべきかという部分に議論をもっていくべきだと私は考えます。
これは責める側の問題です。マスコミの流す一方的で劇場的な観念に流されることなく、「なにがいけなかったのか、その背景は何なのか」という思考をしていかなければならないと思います。
もちろん、責任を果たしたうえでの話ですが。

※申し訳ありませんが、その後のコメントが他のコメント主への誹謗中傷と判断したため削除させていただきました。

コメントする

*

フェイスブック

pdf文書をご覧になれない場合はAdobe Readerを取得して下さい。

Adobe Readerの取得はこちらから