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【教育】校区の再編成について @H24.6月議会

■背景

本市の小中学校のほとんどが高度経済成長期の人口急増により建設されたことから、不公平が残る通学区域が点在しています。

小学校の通学区域は昭和47年以降、校区変遷がなされていません。中学校においても昭和48年以降の校区変遷がなされていません。かつては田畑だった土地には建て売りが立ち並び、旧村と呼ばれる住宅密集地では緩やかな人口が減少し続けているのにも関わらず、40年もの間、大幅な通学区域の見直しがされていないということは、市内の通学区域に不公平な地区が発生してしまうのはごく自然的な現象です。

■事例紹介

では、どのような地区が挙げられるのか。市民からいただくご意見を参考にし、また、高石市を俯瞰してみたときに浮かび上がるいくつかの地区をご紹介したいと思います。

加茂小学校区の加茂1丁目の南側です。府営住宅周辺から加茂小学校に通う距離は約850mとなっております。しかし、高石小学校に通学するのであれば350mの距離で通学可能となり、最寄りに位置する高石小学校より2倍以上の距離をかけて通学しているということになります。しかも、小学1年生の足で。(試算はgoogle mapによるもの)

2点目は取石中学校区の西取石3丁目の西側です。ここは、目の前に高石中学校があるのに、校区は取石中学校となっております。現在、申告すればどちらでも通学可能となっておりますが、小学校の通学先が加茂小学校なので、小学校生活を共に過ごした友達が取石中学校に通学するため、最寄りの高石中学校より遠くの取石中学校を選択せざるを得ないという事態になっているのが現状です。

最後に、高石小学校区の千代田12丁目です。ここは高石小学校から高南中学校に進学する際に、高石中学校に通学する高師浜の友達と別れてしまう校区となっております。個人的な事を申し上げますと、私も子供時代はそうでした。現在は、少子化により児童数が減少しているという背景から高石小学校から高南中学校へ通学する子どもたちが少なくなっており、入学しても周りは知らない同年代の生徒ばかり。新しい中学校生活になかなかなじめないという課題があります。

また、綾園1丁目の一部も清高小学校よりも高石小学校の方が近いですし、加茂4丁目の一部も加茂小学校よりも清高小学校の方が近いというエリアもあります。

■政策提案

1.市内小中学校の通学区域の不公平を解消するための抜本的手法 

通学区域というものは、どこかで線引きしないといけないので、少々の不公平な場所があるのは当然の事と思いますが、現在の通学区域は一度抜本的に見直す必要があるのではないかと思います。

というのも、あと数年で高石の地図は大きく変更されます。平成28年度には南海本線が高架化となり、踏切がバリアフリーになります。また、南海中央線や新村北線の敷設により子どもたちの通学路の安全性が格段に高くなります。

この線路の高架化、道路の敷設ならびに延伸を契機として、市内の通学区域を抜本的に見直していただきと考えておりますが、教育委員会としてはどのような見解をおもちでしょうか。

 

■答弁

校区の設定にあたりましては、幹線道路、鉄道の状況、学校の規模、配置状況、地域の児童生徒数の状況等、総合的に検討され校区が設定された歴史的な経過がございます。

校区の再編につきましては、学校におけるこれまでの地域で慣れ親しんできた様々な環境の変化、今迄に形成された学校と地域社会とのつながり、今後の街づくりの進捗状況等を勘案し、慎重に研究をしてまいりたいと考えておりますので宜しくお願い致します。

2.市内小中学校の通学区域の不公平を解消するための対処療法的手法

少しでも早く現在の学区を適正にするためにも平成28年から検討を進めるのではなく、現段階から調査研究を重ね、平成28年には一定の方向性を打ち出せるよう進めて欲しいと思います。宜しくお願い致します。

また、先ほど申し上げましたように高南中学校に進学する千代田の生徒は、年々減少傾向にあり、入学後に編成されたクラスでも高石小学校卒業者が一人か二人しかいない状況が続いております。私もそうでした。高石小学校からの生徒がなかなか中学校生活になじめずに通学している現状があり、小学6年生から中学1年生へのスムーズな移行を妨げてしまっている要因にもなっていると考えます。友達と離れてしまい、少人数で中学校生活を迎える不安から私立中学校を選択する保護者もいます。これも私のときからありました。

これにつきましては、高南中学校か高石中学校のどちらかを選べるように調整校区の検討をお願いしたいと思います。また、1年生の間は同じ小学校卒業の生徒で1クラスにまとめて編成していただくなどの措置も同時に考えていくべきです。

以上の事から、この校区編成においては、前段の平成28年度を目途とした抜本的解決と、それまでの対処療法的解決の2点を検討していただきたいと思いますので、宜しくお願い致します。