畑中政昭公式webサイト

タジキスタンの監督から

先日のワールドカップ・アジア予選リーグで日本代表がタジキスタン代表に8-0で大勝し、次なるステージに向けて自信と励みをつけることができました。

その対戦相手であったタジキスタンは圧倒的大差で敗北に喫したのだが、代表の監督があまりにも素晴らしいコメントをされているので、アップします。

 

 

「昨日の前日記者会見で言ったとおり、今日は守りに徹する。

そのつもりでプレーしたが、完全な守備というのは芸術に等しい。

我々はその域には達することができなかった。

見事な勝利をした日本を心から祝福したい。

これは実力の差、当然の結果と言えるだろう。

日本はビッグなチームだった。」

 

「昨日の会見では、なぜそんなに控えめなのかとも言われた。

今日の結果で、どうして昨日のような言葉が出たかお分かりいただけたと思う。

冷静な自己分析によるものだ。

ただし、我々の選手たちは最後まであきらめずに走った。

日本を抑えることはできなかったが、

あきらめなかった選手たちに心から感謝したい

 

「日本はウズベキスタン、北朝鮮とは比べ物にならないほど強かった。

今日、日本がほぼベストメンバーで戦ってくれたことに感謝している。

私たちは勉強しにきた身分だ。

苦い経験ではあるが、私も選手も今日の結果を受け止めて

将来に活かしていきたい。

何よりも日本に感心したのは、無駄な動きが一切なかったことだ。

最後の3分間も全力で走っていた。これには感銘を受けた

 

「我々のホームで戦った場合、このような立派なスタジアム、芝生ではなくて、

環境はもっと劣悪になる。ピッチの条件によって、日本のサッカーがどう変わるか。

そこに関しては多少期待している。

ただ、日本とタジキスタンは残念ながら同レベルではない。

芝生の状態いかんで縮まる差ではない。これは冷静な判断。

ただし、ホームの観客が喜ぶようなサッカーを見せたいと思っている」

 

「(最後までクリーンなプレーを続けたが?)ラフプレーには走らない、

クリーンなプレーを心がけるというのを選手たちは理解している。

私たちは日本の選手をけがさせるために来たわけではない。

日本はもっと高い目標を置いているチームなので、

こんなところでけがをさせては申し訳ない。

それに、偶発的に手や足が出ることはあるが、

日本の動きが速くてそれもできなかったのもある」

 

試合をテレビで観ていた私としては、3-0以降の日本の追加点には、それほど歓喜しませんでしたし、一緒に観ていた妻も、つい「可哀想・・・」と女性らしい(慈悲深いという意味での)言葉が漏れていました。

 

しかし、一度ピッチに立った者としては手加減することはクリーンなプレーではないのです。勝者が敗者に手を抜くことは侮辱に等しい行為であって、ピッチ上で互いの全力のプレーをしなければならないのです。

 

それが勝負に挑んだ者たちの覚悟というものでしょう。

 

それでも、「言うは易し」で、そこまでモチベーションを保つということは難しいと思います、特に圧されている側は。

 

 

歴然たる力の差を見せつけられ、その有りの侭を世界中に放映され、さらに点差を拡げられ・・・。

全力でプレーするのに非常に厳しいコンディションであることは言うまでもありません。

 

しかし、それでもタジキスタンの選手は最後まで全力でボールを追いかけました。

そこに、この試合の大いなる意義を感じます。素晴らしい試合でした。

 

最後まで全力で闘ってくれたタジキスタンの選手に感謝です。

 

プレーしていない私が言えた身分ではありませんが、日本の選手は、こんな国と闘えた事に感謝し、そして、勝って兜の緒を締めて、次の試合も必ず勝利の栄光を手にして欲しいです。