維新の会を応援しなかった人たちへ
9年前、高石市を二分させた選挙戦がありました。堺市との合併選挙です。
私が政治家を目指した原点のひとつでもありました。
結果、多くの住民の支持を得て、堺市との合併をせず、高石は自立していくこととなりました。
それからというもの、合併推進を唱えていた人たちは、自立の道を歩んだ高石市政の一つ一つの落ち度を拾い上げ、いかに合併していた方が良かったかを、訴え始めるようになりました。
挙句の果てには、あの選択をした者は愚かだと罵る方もいました。
選択に「たら、れば」は無いのにも拘わらず。
私は、そんな人たちに対し、非常に違和感を覚えた一方、「それも民意で示されたのなら、敗れた方も一定の前向きな譲歩はすべきだ」と思いました。
少しばかりの落ち度を嘲笑して、かつての自分の採った選択肢の正当性を証明することに労力を使うのならば、民主制に則って決定した道筋の上で、少しでも自分の主張を現実化するべきだと、少なくとも思いました。
合併選挙で悔しさを感じた方は、いつまでも合併できなかったことに未練を遺すのではなく、自立を掲げた高石市と、それを選んだ高石市民と選ばなかった高石市民の為に、その智慧と経験を全力で使うべきだと思うのです。
翻って、今回の大阪ダブル選挙。
前回のブログでも書いたように、私は倉田氏を全力で応援してました。
しかし、惨敗を喫してしまいました。力及ばずです。
巻き込んでしまった皆さん、申し訳ありませんでした。
一朝一夕では、なかなか割り切ることなんてできず、悔しさと自分の非力さで不眠の夜が続きそうです。
もちろん、今でも、倉田さんにやって欲しかったという思いは掻き消されることはありませんし、そう思い続けるのでしょう。
でも、大阪府民は大阪都構想を掲げる橋下氏と松井氏を選択しました。
マスコミに流されようが、組織に支援されようが、戦略に長けてようが、それが純粋な民意なんです。
なら、その民意をしっかりと汲み取って、少しでも大阪の未来の為に、志向し、行動するのみです。
橋下氏は選挙中に「倉田を応援している高石市には補助しない」という旨の演説をされたようです。
もちろん、演説なので、息巻いてしまっていた発言かもしれませんが、大阪府と高石の関係は厳しくなるのは確実でしょう。
だからといって追従する姿勢を持つべきでもありません。
尻尾を振って隷属することは拒否し、かといって、悔しさに塗れた反発や揚げ足取りを決して行うことなく、府民の選んだ大阪都構想を少しでも良い方向に進ませていく議論に参加していかなければならないと思っています。
選挙中に色々とあったかも知れません。
しかし、我々政治家は、相手の主張の欠陥を発見するのが使命ではありません。市民の、府民の幸せを創ることが使命です。その為に、悔しさを堪えて、明日の大阪の明るい未来を作り出すという喜びに変えて、進んで行きたいと思います。
政治家の最大の使命を忘れてはなりません。
少なくとも、「大阪の未来のために」という旗の下で闘ったのですから。
建設的な議論を始めていきましょう。
大阪はそんな政治ができるんだ、と全国にアピールしましょうよ。