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管外調査レポート @福岡県飯塚市、八女市

秋は行政視察シーズンです。9月議会も終わり、12月議会までに、赴く側も、受け入れる側も、この秋の季節を機に、研修・視察のスケジュールを組みます。

 

私は、総務文教委員会に入っておりますので、今年は、福岡県で産業振興@飯塚市小中一貫教育@八女市の現場研修を積んできました。

 

高石市に当てはめてみると、

産業振興:企業立地促進条例(企業が設備投資したら償却資産を減税する条例)が今年で更新を迎えております。企業側からは、他市と比べて埋没するような条例ではなく、ドラスティックに差別化した条例を作って欲しいという要望があります。

そういった背景も踏まえて、産業振興での先進都市である飯塚市に行ってきました。

小中一貫教育:これは産業振興とは違い、リアルタイムで俎上に載っている話題ではありませんが、高石市の教育力を向上させるためには、是非とも必要な政策であると考えます。

これは、八女市の上陽北汭(ホクゼイ)学園に行ってきました。

 

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1日目は、産業振興@飯塚市

 

e-zukaトライバレー構想」と銘打った飯塚市の産業振興は、旧産炭地からの脱却といった背景があり、市内にある大学と連携し、情報関連産業の集積化、既存産業の活性化、他地域との差別化・明確化を目指しているまちです。

 

なかでも企業立地促進補助金という高石の企業立地促進条例のパワーアップ版ともいえる補助金を整備されており、これは大変勉強になりました。

ただ、私が、かねてより案じているのですが、自治体が企業誘致を積極的にすればするほど、自治体間同士で価格競争が発生し、ゴールのない過当優遇合戦になってしまう可能性もあります。

そうならないよう「オカネ」だけではない企業誘致というものを創意工夫で生み出していかなければなりません。公が欲しいと思うモノと企業が欲しいと思うモノは、違います。

だからこそ、win-winの関係を模索していくべきなのです。飯塚市も同じ課題を共有しておられ、現在も思索中だということです。

 

高石市も、今より積極的に企業との信頼関係構築に向けて行動していくべきなのですが、それを担う経済課は、商工業・消費者・漁業・農業・労働と仕事の範囲が多岐にわたっており、現在配置されている人員では困難な様子が窺い知れます。

ですので、経済に特化した「経済戦略課の創設」を要望していますが、機構改革の実現はまだ動き出してもいない状態です。

臨海工場地帯のある高石市にとって、この経済戦略は何が何でも必要な分野であると思っています。飯塚市の例にも倣い、しっかりとフィードバックしてまいります。

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2日目は、小中一貫教育@八女市でした。

 

 八女市にある上陽北汭学園にお邪魔したのですが、最初に驚いたのは学校がキレイであること。かつ、その掃除は生徒がしているということ。

 自分たちが使うモノは、自分たちで掃除する。この当たり前のことが、モノへの感謝に繋がるのだと思います。割と、学校視察をしている私ですが、そんな教育をされている学校に、「他とは違うな」という印象を抱きました。

 

 小中一貫教育は、中1ギャップをなくし、小学部から中学部へのスムーズな移行を目的とした政策です。この政策の素晴らしさについては何度も勉強してきたので、十分理解しています。知りたいのは「どうやって実現したのか」なんです。

 

 やはり、地域住民、現場の教師、保護者からの反対はあったようです。特に、市町村合併後、小中学校を統廃合されてからの小中一貫導入なので、旧村の方々は「吸収合併」という感情もあり、なかなか苦心されたとのことですが、校長先生たちは仕事が終わった後、地元への説明を3カ月続けられ、地域の理解をいただき、現実化したというお話でした。

 

 また、「礼節ことば科」という一般的な道徳を具体化した授業もしておられ、この教科書も先生方が自発的に作成したということです。道徳心が欠如しているといわれる昨今の教育において、最も大切なものを具体化されているということに、非常に心を惹かれました。

 

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産業振興は、民間出身の新市長が強烈なリーダーシップを発揮し、他地域との差別化を目指されています。

小中一貫教育や礼節ことば科も、胆力のある校長先生がリーダーシップを発揮され、素晴らしい特色のある学校づくりをされています。

 

当たり前のことなんですが、事を為すのは「人」です。

「人づくり」、つまり教育こそが、地域を支え、国を支えるための礎になるのです。

高石のなかで「自分は何をすべきか」何度も何度も見つめなおし、反芻し、「実現」へと向かってまいります。