» 2011 » 7月

江戸時代においては、

右派の人たちは、「日本は、他国の人間から天国のような国だと褒め称えられた。」と謂いますが、

左派の人たちは、「日本は、身分差の激しい封建制度のような国だった。」と謂います。

でも、そんな天国だと思われている国を護りたいという危機感と、身分差を失くそうという志で、高杉晋作や坂本竜馬は生まれました。

 

大正時代においては、

右派の人たちは、「日本は、悪平等の始まりの時代で、第一次世界大戦から世界恐慌をもたらした。」と謂いますが、

左派の人たちは、「日本は、デモクラシーによって民主性が導入された素晴らしい時代。」と謂います。

 

昭和時代においては、

古き善き時代の物語もあれば、

 貧富の差が激しい物語もあります。

 

 

光があれば、影もある。

 

過去は、色褪せて美しくも観えれば、陰惨で灰色に観えることもあります。

 

必ず、ひとつの方向ではなく、双方向で物事が成立しています。

 

自分のイデオロギーに都合のいいように歴史を解釈するのではなく、

善かった政治は取り入れて、

悪かった政治は克服して。

 

その繰り返しが、現在を創っている。

 

過去の反省に学び、偉人の功績を忘れず、

先人の思いを受け継ぐ。

 

その連続性がなくなれば、国家ではなくなる。

 

この映画を観て、そんな事を改めて考えさせられました。

注)音が出ます

いい映画でした。

たまにGoogleのロゴが変わります。

 

その日の由来に起因してるみたいです。最近は、海の日だったり、アルゼンチン独立記念日だったり、それにちなんで、ロゴも変わるそうです。

 

例えば昔ので・・・

一瞬、ベヘリット?と思いましたが、どうやら違うよう。

コンスタンチンブランクーシとかいう人の生誕だったそうです。

 

Googleのアクセス数がfacebookに抜かれたことなどで、巻き返しを図るために頑張っているんかなぁ、とか邪推しつつ・・・Googleをスタートページに指定している私にとっては、毎日のロゴの変化が面白く、その意味も調べて、雑学を積んでいるわけです。

 

 今日のは、こんな感じ。

  

 ・・・もはや、「Google」じゃない。

 どれがG?どれがEなんだろう(笑)

 初めて来た人が、「どこのサイト?」と驚かないのだろうか。

 

 さて、このロゴはアレクサンダーカルダーとかいう人で現代美術家だそうです。

 そして、私はモダンアートやら現代美術やらの価値を、全く理解できない人間なんです。

ここからが本題。

 私の友人が言ってました。「板に釘さしてスポットライト当てたものを、私の芸術だと言われても全く感動しない。なぜなら努力の陰が見えないから。」

 なるほど、と思いました。

 

 もちろん、現代美術が努力なしで成立しているとは思っていません。インスピレーションやらオリジナリティやら、私のような凡夫には理解できない苦労の末の傑作なんでしょう、一つ一つが。

 

 ただ、私が「美しさ」や「感動」を見出すのは、努力の跡やら、血と汗の結晶みたいなものが垣間見えるモノなんです。

 映画ならストーリー展開、カメラアングル、音響。小説なら文才、シーン描写、伏線。それぞれの感動があるのですが、その前提に「努力のあと」が感じれるかどうかなんです。

 

 そして、それは議員や市民、行政職員などを見るときの指標にもなっています。

 

 この世界にいるとよく経験するのが「私は素晴らしい活動をしています!」「私の主張は素晴らしいんです!」「だから、貴方も賛同してください!私たちの活動に!」というやり取りです。

 

 もちろん、私がその活動に対し「素晴らしい」と、自分の時間を割いて責任をもって賛同すべきだと判断したら、全力をもって、その何かしらの活動やら主張の旗の下、共に闘います。

 

 ただし、それを判断する前に、「その人が汗をかいているかどうか」が、私にとって非常に重要なポイントなんです。

 

 口は立つけど、身体は動かない人ってよくいるように、そんな人と共に行動をしたら、いくら活動や主張が美しく、絶対的なものであったとしても、実現することなく幻となってしまいます。それなら、やらない方がマシ。

 

 一緒に汗をかける人かどうか。これを見極めることこそが「いい仕事」に繋がります。

 

 いま、ひとつ、その「いい仕事」が実現しそうです。

 

 そんな時、一緒に汗をかける仲間の存在に嬉しくなるのです。

 「ああ、またやろう。」と思えるのです。

高槻の事業者 療養費不正

広域連合など調査

 高槻市のマッサージ事業者が、施術回数を水増しするなどして、75歳以上の後期高齢者医療保険の療養費を、府後期高齢者広域連合(大阪市)に不正請求していたことがわかった。高槻市にも国民健康保険の療養費を不正請求していた疑いがある。同連合と市が調査を進めている。

 同連合によると、利用者に発行された領収書と、同連合への請求書を照合した結果、施術回数に食い違いがあることが判明。事業者は「不適切な申請だった」と認めたという。同連合は不審点がある2009年5月~2010年11月に支払った全額約1700万円を返還させ、改めて請求するよう求める。一方、市は「調査している段階」としている。

読売新聞 朝刊より引用

  

昨年の9月1日から整骨院・接骨院の領収書発行の義務化と、申請書の統一化(施術日の記載等)が法改正によって実現され、不正な請求を堰き止める動きが進んでいます。

 

しかし、まだまだ氷山の一角。

 

国民健康保険が負担額が高くなり続ける要因は、診療所のサロン化よりも、こういった悪徳な医者・整骨院・接骨院・薬局の不正な請求が最大の要因です。

 ジェネリック医薬品の啓発やはしご受診を控えるように、行政が訴えるのも必要ですが、根本解決には至りません。

 そのためには、機能的に悪徳な事業者を摘発できる法改正(もしくは地方分権)が何より必要。

まじめに保険料を払い続ける人、少しでも医療費を下げようと努力されている患者さん、まともに請求をされる事業者さん。

 

こんな人たちの小さな努力が無駄にならないような社会を作っていかなければなりません。

 正直者がバカを見ないような社会を。

さて、2回連続防災に関してのブログでしたが、このブログも防災関連・・・。

 

 「もう、飽きたぞ」と怒られるかもしれませんが、私の防災に関する政策力を高める集中期間でしたので、どうぞご容赦をくださいませ。

 

 高石では、割と宣伝していたので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、今日は、市役所別館でフジテレビでお馴染の山村武彦氏の防災講演の日でした。

 

 たくさんの市民の方が参加されており、防災意識を高めるうえで有難い講演をしていただきました。

 

 講演の内容は、前述のブログでもあるように、「逃げる」ことが最も大切であること。

 そして、迅速な避難のために、避難訓練を意識して行うようにとのこと。

 

 やはり、防災というのは、この二点に集約されます。

 

 堤防の高さには限界がありますし、地震による地盤沈下があれば(陸前髙田で最大120㎝)、それだけ堤防が低くなります。

 

 行政がすべきことは、ハードの整備よりも、市民の防災力を向上させるために、どんな取り組みをしていくか。

 

 

  ■ ■ ■ ■ ■

 

 そもそも、防災の最大の目的は何か、ということに主眼を置いて、優先事項を決めていかねばなりません。

 政策形成においてもそうです。何を最優先して政治がしなければいけないのか。

 

 防災の最大の目的は、命を守ることです。

 

 財産が流されても、お金が無くなっても、それよりもまずは、命が優先されることだと私は思っています。

 

 だから、避難が重要なんです。

 

 避難路も整備しなければいけませんし、要援護者をどう避難させるか、そもそも地震がきたら避難してくれるのか、避難を促す情報伝達はどうなっているのか・・・。

 

 この避難という最も生命を守ることのできる手段とレベルを高めていくことが、私の高石の防災力向上への政策アプローチなんです。

 

 なので、市民の皆さんの協力も必要です。

 

 前述しましたが、

・・・避難訓練には参加して下さい。

・・・ご近所同士のコミュニティを作って下さい。

 

 それが、最大の市民参加だと私は思います。

 

 「行政に任すだけではなく、安心・安全は自分の努力によって作るものである

 

by 山村武彦 氏

 南海地震で最も津波被害が大きいと想定されている自治体のひとつ。南あわじ市の津波防災センターへ行ってきました。

 

 これも同志の出田裕重市議のコーディネートで休日にも関わらず、職員さんに来ていただいて説明を受けました。

 ちなみに、出田議員は、私のシンポジウムにパネラーとして高石にも来ていただきました。お世話になりっぱなしです・・・。

 

 

 南あわじ市は、地震発生後、約40分で6m以上の津波が襲来すると予想されています。

 

 非常に広範な土地なので、高石と違い緊急避難所も少なく(高石ほどの面積で神社や○○氏広場など2~3箇所ほど)、とりあえず高台に逃げるんだという体制づくりに力を入れておられました。

 

 釜石でもそうでしたが、避難が最大の防災です。

 

 そのために、自主防災組織による臨場感ある避難訓練や、市民の防災意識を高めていくことが求められてきます。

 

 こんなことを言うと怒られますが、南あわじに比べて高石は地勢に恵まれています。

 

 しかし、そういう油断が最も危険であることは言うまでもありません。

 

 いま、南あわじの防災力の高まりは、すごい力強さを感じます。それは、行政だけでなく、市民も。

 

 高石は総合避難訓練を毎年、各地区でおこなっています。もっとレベルを上げるよう要望をしていますが、市民の皆さんにも要望をします。特に若い人。

 

 訓練に参加して下さい。その日は大体、日曜日ですから。会社も休みの人がほとんどでしょ?

 

 本当に、若い人たちの参加者が少ない状況です。

 

 家族サービスも大切だし、遊びに出掛けることも大切ですが、家族を守ることがイチバン大切です。

 高石も、南あわじの防災意識の高まりに負けないよう、市民参加で防災力を高めていきましょう。

やっと、落ち着いて事務作業ができる環境になりました(笑)ので、ブログを更新してまいります。

 

というのも、先週は、東北地方へ復興支援、京都へ林塾、淡路へ津波防災の研修と、家に帰らない日が続きました。この連休も家族サービスができなかったので、ホント父親失格です・・・。

 

まぁ、凹むのは後回し。

 

活動報告を順に遡っておこなっていきます。

 

  ■ ■ ■ ■ ■

 

 宮城県は、塩竈市と東松島市に行ってきました。

 

 塩竈市は、比較的被害が少なかったので、市役所の方からレクを受けました。そんな塩竈でも、市役所のなかは防災対策本部を設置し、罹災証明の発行、地震直後は議場まで避難所として機能させるなど、市役所の存在の機能的重要性を改めて認識させられました。

高石の市役所は未耐震・・・どころか、耐震診断もしていません。これは急務です。ちなみに、塩竈市役所の耐震化は2月に完了したとのことです。

 

 対応していただいたのは、東北若手議員の会OBの伊藤市議。震災対応で忙殺しているはずなのに、関西若手議員の会の為にと、レクを始め、様々な研修をコーディネートしていただきました。

多謝です。

 

 そのなかで、最も心に残ったのが、仮設住宅の訪問でした。関西若手議員の会からは、支援物資として泉州の玉ねぎをはじめ、日持ちする食糧をお届けいたしました。

 被災者の皆さんとの意見交換では「梅雨明けに傘が大量に届く」という行政が苦手とするタイムリーな対応。その為には、どんな物資が必要なのかを把握するべきの職員が仮設住宅に来ないという(正確には来れない)状況。

 生活するのに最低限の物資も必要だし、人間が住むんだから少しの娯楽も欲しい・・・。色々な意見があるなかで、やはりというべきか、最も確信を得たのが「これからも支援を続けて欲しい」という切実な願いでした。

 世間は忘れようという方向に進みますが、その忘却の向こう側では、まだまだ復興に程遠い立場の被災者がいます。

 私たちは、その方々のために恒久的な支援を続けていくべきです。被災者にとっては、自分たちの状況を忘れられる事が、何より不安で、何より絶望を感じることだと改めて気付かされました。

 

 さて、二日目はボランティアで泥かきをしました。

 

 震災直後、「安易な気持ちでボランティアに行くべきでない」と私は主張をしました。

 

 行くのであれば、自分探しなんて以ての外、稚拙なヒロイズムや憐憫を捨て去り、粛々と作業をこなす一駒として行くべきです。

 

 なぜなら、予想以上に重労働ですから。

 

 ヘドロを集めるわけですから臭いです。また、どんな細菌が混じってるか分かりません。それで身体中を汚しながら、炎天下でハエに集られ、腐臭の漂うなか、只管に作業を続けるワケです。

私は、少なからず肉体労働の経験があるので、そこまで苦に感じませんでしたが、途中で逃げ帰るボランティアもおられるそうです。

 

 そして、ボランティアが思っているほど、感謝されません。

 ご近所の方は「有難う」と言ってくれますが、被災していない現地の通行人や通行者は、泥かきを邪魔者扱いするような目つきで見る人もいます。朝からパチンコ屋に並ぶ近くの現地の人もいます。それも被災地の現実です。

 だから、感謝されようなんて安直な思いでボランティアに行くのは、よろしくないのです。実際に、揉め事を起こした方もいるそうですし。

 

 そんな揉め事や現場から逃げ帰るボランティアをイチバン見たくないのは、やっぱり被災して心を痛めている人たちなんだと思います。

 

 ボランティア以外にもできることはたくさんあります。

 

 復興まで、まだまだ年月が必要です。

 

 同じ日本人として、私たちができることをしていきましょう。

 

 世間が忘れても、私は発進し続けていきたいと思います。

ネット上で話題になっているニュース

道路に出たボール避けバイク転倒、蹴った少年側に賠償命令

 愛媛県今治市で2004年2月、オートバイに乗っていた80歳代の男性が、小学校の校庭から飛んできたサッカーボールを避けようとして転倒、この際のけがが原因で死亡したとして、大阪府内の遺族ら5人が、ボールを蹴った当時小学5年の少年(19)と両親に計約5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。 田中敦裁判長は「蹴り方次第でボールが道路に飛び出すことを予見できた」と少年の過失を認定、両親に計約1500万円の支払いを命じた。 判決によると、少年は校庭のサッカーゴールに向けてボールを蹴って遊んでいた際、ボールが門扉を越え、道路に転がり出た。その際、通りかかったオートバイの男性が転び、足の骨折などで入院。男性は翌年7月、肺炎のため87歳で死亡した。

 原告側は07年2月に提訴。被告側は訴訟で、〈1〉校庭でのこの程度の遊びは許され、少年に過失はない〈2〉事故と男性の死亡に関連性がない――などと主張した。

 判決で田中裁判長は、少年の過失を認定した上で、当時の年齢から「自分の行為でどのような法的責任が生じるかを認識していなかった」として、両親に賠償責任があるとした。

 さらに、田中裁判長は、「男性は事故で長期間の入院を強いられ、生活環境が激変し、死亡の原因になった」と事故と死亡の関連性を認定。賠償額は、男性に持病があったことなどを考慮し、請求より減額した。

2011年6月28日  読売新聞)

 まずもって、亡くなられた方にお悔やみ申し上げます。

 ニュースを見るだけでは、意外性のある判決にも見えます。裁判の経緯や判決文を読むと、色々ないきさつがあったようです。

 しかし、このようなリスクを考えれば、お年寄りの方の免許保持問題などにも関わってくるでしょう。ましてや、小学生が校庭でボール一つ蹴るにもここまでのことを想定して先生が指導しなければならない時代というのも、どこか寂しいものです。

■ ■ ■ ■

 孔子が提唱した徳治というものがあります。読んで字の如く、「仁や義、徳をもって世の中が治まる」という国家の理想像を唱えたものです。

 そして、徳治でも治めることのできない場合は、礼治で治めるよう努めるべきであるとのことです。礼治というのは、礼によって社会秩序を守り、統治するという考えです。礼とは、礼儀作法や人間の道義的な規範であり、日本では、恥の文化や道徳のことを指すと言われています。

 そして、徳治も礼治もかなわない社会においては、他に治める術がないので、法によって国民を統治する法治という治め方になります。法で人を縛ることには限界があって、徳治とはいかないまでも、礼治で治めるべきだという儒家の教えもあります。

 こういった政治哲学を考えながら、上のニュースを見ると、法治国家の限界を感じます。

 法律を守ることは大切なことですが、ときには法律の枠組みを越えて、人間としての道徳を貫くことが必要なケースだってあります。杉原千畝のように。

 政治家は公人です。法律や条例というルールに縛られながら、少しでも社会を是正する動きをし、かつ、法律や条例というものが絶対的ではないものと捉え、住民が求めているものは何なのかを追求しなければいけない仕事です。

 その判断基準は人によって、違いがありますが、私は、ときには理屈抜きに理想を語ることだって必要だと思います。

 そして、それは、自分が美しさを見出したときであると思います。

 過去の日本人の礼儀作法やおもてなし、古代中国の思想、お互い挨拶をすることだって、「美しい所作」です。

 その社会の美しさを守るために、ときには法を越えた、哲学をもたなければなりません。

 よって、いかなる理論・経緯があろうと、上のニュースは美しくない。

 

来週から、関西若手議員の会で、震災ボランティアに行ってきます。内容は、研修とボランティアですが、あまりに不勉強で行くのも時間の浪費になると云う事で、各参加者に宿題を言い渡されました。

※生半可な気持ちで現地にボランティアに行く事は、被災地にとって最大級の迷惑行為になるので、それについての思いはまた後日書きます。

 

 がれき撤去・被災者支援システム・宮城県内のNPOの支援の状況・仮設住宅の課題・県庁と被災市町村との関係・工場の被害、復旧・漁業の被害、復興・被災時のツイッター等の役割・1次補正予算の特徴・2次補正予算の留意点・農業の被害、復興・関西広域連合の役割・二重ローン・エリアメール」の政策内容と実施状況、及び課題、を各参加者が分担して調べて、現地に向かう夜行バスのなかで3時間かけて発表し合うそうです。

 面白い取り組みだけど、なかなか簡単に終わる宿題ではない。

 私は、「仮設住宅の課題」を調べて来るように、との使命が下されましたので、取り敢えず昨晩からPCをカタカタして、一定、まとまりました。

 そこで、折角なので、このブログでお知らせしようと思い立ったわけです。

■    ■ ■ ■ ■ ■

さて、こんなマスコミ報道が最近、よく露見されます。

仮設住宅、なぜか地元業者が受注できない 県とプレハブ建築協会の一括契約

さすがマスコミ。印象操作が御上手ですね。これだけ見れば、プレハブ建築協会が仮設住宅の建設を独占しているかのような印象を受ける方がおられるかも知れません。

 もちろん、地元の業者が仕事を受注し、被災地に少しでも経済復興させていくことが大切です。しかし、ことはそれ程単純な話でもないというのが、私の発表です。

 まずは、構図の説明から。災害発生後、国から住宅生産団体連合会という住宅業界の団体に、仮設住宅の供給を委託します。その委託された住宅生産団体連合会には、大手ハウスメーカーなどにより構成されており、その一部(理事)にプレハブ建築協会(プレ協)がいます。

 このプレ協という組織のなかには、仮設住宅のメーカーが加盟しており、かつ、災害発生時に仮設住宅を供給するように事前に各自治体との協定を結んでいます。こういった理由から、仮設住宅建築の主体的な役割を担うのは「プレ協」になるのです。(図1参照)

 そもそもプレ協は、今までたくさんの実績を積んできました。阪神淡路大震災や新潟中越沖地震における仮設住宅設置、トルコやコソボ、アゾーレス諸島など海外でも宿舎建設などを手掛けてきました。

 さて、そんな流石のプレ協さんも今回の東日本大震災は、なかなか対応しきれていないのが現状です。それは、あまりにも大規模であることや、政府の対応がブレたことなどが挙げられます。

 そこで、プレ協の構成メンバーである仮設建築メーカーではないハウスメーカーも、従来の生産ラインを割いて、仮設住宅の建築に補わなければならない状態で、現在作業を進めています。

 

 というわけで、プレ協も組織の全てを使って仮設住宅の供給に当たっているわけです。しかし、冷静に考えてみれば「それだけ儲かるんだからいいんじゃない」と思いませんか?私も最初はそう思いました(苦笑

 しかし、どうやら、そこまで「儲けの種」になるわけではないのです。というのも、ハウスメーカーにとっては仮設住宅の供給が本業ではないからです(本業以外の業務の収支勘定はなかなか合わない)。そして、何より、供給の見込みが大幅に下方修正されたからです。(図2参照)

 

 4月19日時点では、約70,000戸の要請をしていたのですが、6月10日時点になると、約50,000戸に縮小されました。これは、民間住宅や公営住宅が利用できるという理由から供給要請が抑えられたことによるものです。

 そういった背景もあり、今やハウスメーカーのストックヤードには生産済み、加工済みの資材が山積みになっており、廃棄処分の検討もしているというのが現状です。

 

 被災者の立場から考えれば当然ですが、仮設住宅の供給はスピード勝負です。事前に準備もしており、実績のあるプレハブ系のハウスメーカーでも四苦八苦している現状のなか、地域の業者がそうした課題を克服できるとは思いません。

 「下請けでもさせなければ可哀想」と簡単にテレビの中のコメンテーターは言いますが、現場でノウハウのない業者と一緒に仕事をすることが、どれだけ生産性と効率性を阻害するか、そんな現場感覚のない机上論、感情論だけの意見だと思います。

 

 冒頭にも書きましたが、被災された地域の業者が少しでも利益を得、それが復興に繋がればいい、と私も思います。ただ、そんな単純な発想では許されない、そんな短絡的な感情論で物事を推し量ってはいけないというのが、東日本大震災の被害の大きさなんです。

 とても良い環境とはいえないなか、メーカーの従業員さんも頑張っておられます。艱難辛苦を乗り越えて、復興を願う気持ちは同じであると思います。少なくとも、冷房の利いたスタジオで、かつ、被災しなかった私たちが、彼らを批判することは、相手の気持ちを察せずに言うことだと私は思っています。

 堕ち続けているマスコミには、もう期待はしていませんが、もう少し色んな状況を把握したうえで情報を流して欲しいものです。

 話を戻しますが、地域の業者に受注させるには、どのようなハードルを越えなければいけないかを、考えなければなりません。それが先決ですし、各メーカーは動き始めています。南三陸町では、地元の業者も参画し始めたそうです。

無責任に批判を続ける人たちはどうぞ続けてください、何も産まれませんから。私は、責任と矜持をもって仕事をしている人たちを応援し続けますし、私もそうありたいと磨き続けます。

図1

図2

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