今朝の朝刊から。
今年初めてのブログが今日になってしまいました・・・。
平成24年もお陰さまで忙しくさせていただいております。
しかし、情けないことに、年越しは風邪で寝込んでました。しかも、家族揃って・・・。
知合いの医者に言わせると、風邪をひいたり熱が出たりするのは、日常の身体に溜まっている毒を放出させる機会だから、無理やり薬で病状を抑え込むのはあまり良くないとのこと。その言いつけを堅く守り、何とか食事療法だけで回復させることに成功しました。
さて、今日の朝刊に掲載されてました高石市の課税誤りについて。
この事件は、高石市職員だけではなく日本の公務員全体に蔓延っている労働に対する意識がイチバン根っこの問題です。ややこしい経緯はすっ飛ばしていただいても構いませんが、結びの文をご覧いただければ有難く存じます。
これは、市内3社(4棟)の冷凍倉庫を一般倉庫と誤って課税してしまい、そのことから過納状態となっており、約1億1000万円の市税還付が発生してしまいました。※冷凍倉庫は低温により損耗度合いの率が高いため、一般倉庫よりも減価償却が速い。(図、参照)
このオレンジ色の部分が約1億1000万円(利息5%含む)の超過課税が発生しているということです。 背景として、このような冷凍倉庫の固定資産税を誤って一般倉庫として課税してしまう件は、平成18年名古屋市で初めて発覚され、平成22年の最高裁判決で地方税法5年分と最長20年分の賠償請求が認められました。そして、当時、総務省の調査によって全国415市町村で約3000棟の課税誤りが発覚。(この時に、高石市は「誤りはない」と返答) |
以上が、この件の概略です。
この還付金については、来週開かれる1月度の臨時議会において補正予算として審議されます。私なりの要点は・・・
・経緯の事実確認と把握
→還付発生時の20年分以前の課税誤りはなかったか
→各倉庫会社との関係性について
→職員の処分について
→定期的な現地調査はされなかったのか
など。
・再発防止策(何よりも大事)
→他の償却資産、固定資産の課税実態の点検
→これからの課税実態の把握のため、定期的な現地調査を行うのか
→全庁的な意識の改革が必要※
などです。
以下、結びの文
言うまでもなく、職員の過失によるものです。そして、課税主体である行政職員が納税者に対して誤って課税してしまうということは、納税者である市民、企業との信頼関係を損なうことになるので、本当にあってはならないものです。私も含め、議会からの厳しい指摘は免れないでしょう。
ただ、「ダメじゃないか!」「何やってんだ!」と叫んでも、問題は一向に解決されません。
私たち議員はお金を貰っているプロとして、どのようなアプローチをすれば、こんな問題は事前に防げるのか、再発防止できるのかというところにこそ、頭を悩まし、汗をかき、労力を費やさなければなりません。
そんな私が考える最大の問題は、職員の意識です。それはただ単に「意識が低い、高い」とかいう精神論ではなく、前例を信頼し過ぎているという意識です。前任者が拵えた台帳、データ、ソリューション、そして、因習。それらを疑うことなく使っているという実態こそ最大の問題です。
今回の課税ミスは、平成4年度から償還が発生しています。なら、今日までの約20年もの間、その課税が適正かどうかを、なぜ調査しなかったのか。一度も台帳との突合作業が行われていないということが、あまりにも前例を信頼し過ぎているという実態です。
これが行政特有の前例踏襲主義の負の部分です。「間違っている前例を信じて、そのまま業務を続けて、いつかはミスが大きくなって発覚してしまう」という事例は、今までにもありました。
前任者を疑え、とまでは思いませんが、自分が扱っている情報そのものが正しいかどうかの調査(棚卸、現地調査、突合作業など)は定期的に実施し、こんなミスを2度と発生しないよう全庁的に努めていくべきです。
・・・ただ、
今の職員の体制もかなり苦しいところまで来ています。
今回は税務課という部署のミスです。税務は、課税、滞納対策、催促、企業調査などなど、他と比べても、その業務の量は非常に多いので、なかなか完璧に仕事をこなすことができる体制とはいえない状態であることも目をそむけることのできない事実です。
しかし、どんな事情があろうと、ミスはミス。議員として粛々と指摘し、改善に向けて動いていくのが、我々の仕事です。
同時に、市民の皆さんにも、そういった一端をご理解いただきたいと思います。
たしかにヒマそうにしている職員もいますし、愛想の悪い職員もいます。労組が結果的に市民サービスを低迷していることもあると思います。
でも、「行政サービスは年々多岐に増えていく、公務員は減らせ」では、いつかはパンクしてしまいます。
そうならないように、職員の現場の空気も市民にお伝えし、公務員の果たすべき本分という問題を、少し一緒に考えていただければ有難いと思います。