学力テストの参加中止から見え隠れするモノ
昨日のヨミウリの朝刊
<「大阪府学テ」不参加11市町村>
府教委が6月に公立小、中学校を対象に行う「大阪版学力テスト」に不参加の市町が増えている問題で、新たに和泉市が不参加、八尾市が参加を決めたことが府教委のまとめでわかった。府内43市町村の方針がすべて明らかになり、不参加は11市町で1/4を超えた。 和泉市教委は、今回から児童・生徒に渡す成績表に在籍校の平均正答率が記されることが「学校の序列化につながる」と不参加の理由を説明。府教委は「不参加は極めて残念だが、判断を尊重する。」としている。 和泉市以外の不参加の市町は、大阪、箕面、大東、大阪狭山、泉大津、高石、阪南の各市と豊能、能勢、熊取の各町。 |
反対の市町は、和泉市教委の理由とほぼ同じでしょう。
クローズされていた各小中学校の平均正答率がオープンになる。
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小中学校の序列化が明確になる。
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不動産屋の手に渡れば、事前に学校のレベルを伝える。
もしくは、風評被害が活発になる。
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成績の悪い学校区はどんどん人口減少。
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廃校。
という論理ではないでしょうか。
でも、自分のまちの小中学校のレベルは、大体把握していると思うんですよ。
よく「A中学校は不良が多い」とか「B中学校区は成績優秀」とか。
でも「A中学校はクラブ活動が盛んで、成人した今でも当時の友達関係が続いている」とか「B中学校は勉強ばかりしていたせいで、人とのコミュニケーションがどうしても苦手になってしまった」とか、まわりでよく聞く話じゃないですか?
学校別の平均正答率がオープンになってしまったところで、人口減少や廃校につなげるのは、聊か論理の飛躍だと思います。
でも、これは、学力テスト公開非公開における個人的な見解。
もう少し掘り下げて考えてみると、なぜ今迄通り自治体別に統計をとろうとしなかったのか、もしくは、小中学校別の平均正答率をクローズにするよう徹底しなかったのか。
学力テストというものは、比較検討材料が少なければ少ないほど意義が薄くなるもの。1/4しか参加出来ていない状況は、もはや学力テストを共通で実施する意義が無くなっていると考えます。
つまり、府内の公立学校が全校参加することによって学力テストの意義が最大限発揮されるという大前提があるのにも関わらず、なぜ、反対する市町がでてくる結果を安易に予想し得る、各校の平均正答率をクローズしないという手法を採らなかったのか。
反対する市町の炙り出し?あとで、何らかの制裁が?
色々と見え隠れする「学テ問題」