【総務】既得権益の打破~公民較差の是正~ @H24.12月議会
「民間の給与と公務員の給与は、住民の理解と納得が得られるよう適正にしなさい」と、平成19年に総務省から通知が来ました。いわゆる「民間の給与と公民の給与の差を縮小しなさい」という公民較差の是正です。
12月議会では、このテーマで一般質問をしました。
一般行政職は、事務・企画・窓口など、それぞれの業務が多岐にわたっており、さらに、福祉、都市開発、生活環境など、それぞれのカテゴリーも多岐にわたっており、正確な民間給与との比較はなかなか難しいもの。
(しかし、高額な退職金などを考えると、民間給与よりも高額であることは間違いありません。ちなみに、一般行政職とは、皆さんが見る市役所で働いている人たちです。技能労務職とは、給食調理員や土木の技術員さんなどです。)
だから、技能労務職という比較しやすい職で民間給与との較差を自治体は調査し、公表しています。
このように。
区分 |
公務員 |
民間 |
平均給与月額 |
平均給与月額 |
|
高石市 |
422,015円 |
272,500円 |
大阪府 |
354,408円 |
– |
国 |
321,662円 |
– |
(平成23年度の職員の平均給与月額の状況 ※一部抜粋)
ご覧のとおり、高石市の技能労務職の給与は、民間と比べて、約15万円、大阪府と比べて、約7万円、国と比べて約10万円高い水準となっています。
総務省から通達があったからというだけではなく、この較差は市民感覚からかけ離れていると言わざるを得ません。
公務員の給与は俸給表というものに基づいて決められています。通常なら、一般行政職と技能労務職で俸給表が分離されています。しかし、高石市は通常分離すべき俸給表を一般行政職と技能労務職とで分離されていません。ここに高石市の技能労務職の高額給与の原因があります。
上の図でいうと大阪府と国は俸給表が分離されています。だから、平均給与が高石市より低いのです。
これは高石市が放ったらかしにしてきた既得権益と言わざるを得ません。
高石市は今までに、悪名高い特殊勤務手当の月額制撤廃、賃金カットなど労働組合が保持してきたものを廃止してきました。しかし、一般の会社と較べたら、このように不公平な賃金体系は残っています。
俸給表も他の市町村より高いです。地域手当も泉州でイチバン高いです。
好景気においては、市の職員は民間企業よりも給与が低額だった時もあるでしょう。低賃金で働くことが正しいとも思いません。むしろ、給与のデフレ合戦が生じると経済に深刻な影響を及ぼします。
しかし、この技能労務職の給与と民間給与の乖離は、看過できません。市民が納得のいくカタチではありません。
毎晩、遅くまで頑張っている職員の矜持を護るためにも、
政治・行政への信頼を取り戻すためにも、
こんな不公平な仕組みを抜本的に変えていかなければなりません。