【福祉】障がい児保育の充実「松の実園」 @H25.3月議会
松の実園という「就学までの発達に遅れのある子どもたちに適切な保育指導を行い、子どもたちの自立に必要な生活習慣や知識、社会性の発達などを高めるための通園施設」が高石市にあります。
この松の実園は平成24年の4月1日から「知的障害児通園施設」から「児童発達支援センター」に移行しており、現行の児童発達支援に加え、保育所等訪問支援・障害児相談支援という2つの新たな機能を横付けしなければならなくなりました。(下図参照)
まず、保育所等訪問支援。
これを実施するには、児童発達支援管理責任者を配置し、その方の管理・調整のもと、訪問支援員が保育所等に訪問し、障害児本人に対する支援と訪問先施設のスタッフに対する支援を行うというもの。
■ 一つ目の懸念:訪問先施設のスタッフに対する支援とあるが、その障害児に最も長く関わっておられる保育士は訪問先の保育所の保育士であって、支援を行う訪問支援員ではない。障がいというものは、子どもたち一人一人によって接し方も違えば、緊急時の対応も違ってくるもの。現場感のない訪問支援員と、現場である訪問先の施設とのギャップが生じてしまい、連携が弱体化、有名無実の機能になってしまわないかどうか。
■ 二つ目の懸念:保護者との契約により開始できる業務であり、かつ、利用料が発生する。一方で、現在、障がいを持つ保護者への支援は無料で高石市は行っている。支援の質による違いはどうであれ、「契約」「有料」という条件が保護者の利用意欲を損なってしまうのではないか。
■ 三つ目の懸念:部屋の問題。「事業の運営を行うために必要な広さを有する区画を設ける」という設置基準が定められているが、現行のサービスを維持するだけでも手狭な松の実園の建屋面積では、この支援を受け入れる空間的余裕がないように思われる。各室の配置換え・新たな用地取得、貸与など空間的問題を解決しなければならない。
■ 四つ目の懸念:人の問題。上記の児童発達支援管理責任者は現在、1名配置されており、児童発達支援に従事していただいている。これは補助金の算定基準となっているぐらい「専任が望ましい」とされており、併任は法的には可能であるが、現実的には難しい。新たに雇用する必要が生じてくる。
そして、児童相談支援。
松の実園に通園していない保護者の方でも相談できる体制を構築するというもの。
■ 一つ目の懸念:同じく部屋の問題。今でも、松の実園に通園されている保護者の相談は行われているが、件数も多いことから相談室の使用頻度が高い。新たに児童相談支援を実施するとなれば、1室の相談室では対応できそうにない。新たに相談室を設けなければならない。保育所等訪問支援の部屋の問題と合わせると、2つの空間が新たに必要となる。
■ 二つ目の懸念:同じく人の問題。これも忙殺している現状の人員体制で対応できるのか疑問が生じる。
以上のように、平成27年までに克服しなければならない問題が山積しています。まだまだ書き切れない点もありますし、担当課とも突き合わせて議論をしておりませんので杞憂に終わる項目もあるかもしれませんが、松の実園が山場を迎えているのは確かなことです。
ちなみに、私は保育所・幼稚園は民営化すべきと考えておりますが、現行法上、松の実園が民営化されるとなれば確実に業務の遂行に支障をきたし、子どもたちに影響が出てしまうと考えております。
今の松の実園のキャパシティで上記の問題を解決できる糸口をこれから探っていく作業にも集中していきます。