【人口戦略】人口問題について「提案の章」 @H26.3月議会
以前のブログ(分析の章)からの続きです。
議員同士でもよく議論になるのが「子ども医療費が堺市よりも少ないから人口が出ていっている」とか「保育所が民営化されたから(以下、同文)」とか、自分の主張している政策が通らないから街に魅力がなくなって、人口が減り続けているんだという論理をよく耳にします。
これは私も今までそう思ってきました、恥ずかしながら。
そりゃ、議員は高石のことを良くしたいと思って一生懸命提案をしているので、そういう気持ちになってしまうのは致し方ないコトだと思いますし、市民の方からも同様の意見をたくさん頂戴します。
・・・でも、本当にそうでしょうか?
そのお隣の堺市も去年から人口減少傾向に突入しました。
不動産業界の方からは「売却物件が比較的早く売れるのは近隣でも高石市なのに、売却物件の件数は高石市がいちばん少ない」という声もよく耳にします。
高石市に引っ越して来て下さった保護者からの子育て支援への苦情もよく耳にします。
私が言いたいのは、
個別の意見に右往左往されてはいけないが、しかし、しっかりと現場の意見を包含し、高石全体を俯瞰した分析と、それに基づいた戦略を練ることが人口問題にたいして何より肝要であると訴えました。
簡単に言うと、マーケティング戦略です。
住民が自治体に何を求めているのかを巧みに分析し、限られた税財源で集中的に投資をしていくことです。
独善的な住民サービスや、自己満足の広報・PRイベント、押し付けの市民参画ではダメですよ、ということです。
いくつかの例を紹介します。
1.箕面市「子育てしやすさ日本一」
2.流山市「母になるなら、流山市。」
子育て世代に的を絞った見事な広報戦略です。
さすが、大阪府下でチャンピオンの座を防衛し続けているだけのことはあります。
箕面市はもちろん元々が良質な住環境というイメージもあるかも知れません。
流山市も関東だから税財源が豊富という指摘もあるかも知れません。
しかし、この両市は人口増を図るために、(ただでさえ公務員の人件費は高いのに)民間の優秀な人材をスカウトし公務員として雇用し、マーケティング活動をつうじ、このような広報戦略をおこなっているのです。
これには、公務員の方々の今迄の働き方があまりにもマーケティングとかけ離れているという点があります。戦略性がないと経営が成り立たない民業と、与えられた税財源を公平に分配する官では、どうしても得手不得手が分かれます。
これはどちらが優劣かという話ではなくて、役割を分担しておこなっていかなければならない領域が自治体にはあるということです。
その最たるものが人口問題だと私は考えています。
ですので、高石市も民間人から優秀な人材を引き抜いて、「マーケティング課」でも「経営戦略課」でも名称は何でもいいので、高石市を戦略的に運営する部署を作るべきと訴えました。
また、高石市にも広報できる資源はたくさんあります。
たとえば、上の二つの市がチカラを入れて広報している「小中学校耐震化」や「ALT(英語指導員)」や「ICタグの設置」とかは高石市もやっています。
どころか、「待機児童をゼロに!」とか「小中学校のエアコン設置!」とか目指されていますが、高石市はすでにできています。
このように自治体は横並びに政策を競い合うのではなく、特色をいかに売り出せるかという時代に変わってきています。
・・・いや。とっくの昔に変わっています。
アピールできる高石市の特色、それに対する市民のニーズを満たす住民満足度、市外へ発信している高石市の魅力。
この三者があまりにもチームワークがなく、息の合っていないのが高石市です。
そして、これをピタッと息を合わせ、歯車を上手に回すには、マーケティング活動が何より必要だと、3月議会の一般質問の大部分を費やして訴えました。
まだまだ1回目なので、職員さんにこの考えは浸透されていなかも知れませんが、しつこく訴えていきたいと思います。