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【福祉】障がい者のケアプランについて@H27.3月議会

背景として、来年度(平成27年度)から障がい者の自立支援給付(基本的な給付サービス)を受けるには、今年度(平成26年度)中にどういった給付を受けるかを明記した支援計画書(ケアプラン)の作成をしなければならなくなりました
障がい者のサービスにおいても、ケアマネがケアプランを作成して、ヘルパーがサービスをおこなう介護保険と同様になったとお考えください。
そういった変更手続きを進めるには、厚生労働省から膨大な通知が市町村に届きます。
それには「厚生労働省はこう考えてるから、市町村のみなさん参考にしてくださいな」という内容が書いてあります。
今回、問題として指摘したのは、そんな一通の通知の解釈についてです。

平成24年3月30日に「障害者自立支援法に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準について」という通知が届きました。
そこには、(※以下の全文は長いので読み飛ばしても問題ありません)

相談支援専門員が担当する利用者が利用する指定障害福祉サービス事業所、指定障害者支援施設等又は基準該当障害福祉サービス事業所の業務と兼務する場合については、視程障害福祉サービス事業所等との中立性の確保や、指定障害福祉サービス事業所等と異なる視点での検討が欠如しかねないことから、次に掲げる場合を除き、当該利用者が利用する指定障害福祉サービス事業所等の業務と兼務しない相談支援専門員が継続サービス利用支援を実施することを基本とする。
①身近な地域に指定特定相談支援事業所がない場合、②支給決定又は支給決定の変更によりサービス内容に著しく変動があった者のうち、当該支給決定等から概ね3か月以内の場合、③その他市町村がやむを得ないと認める場合

要約すると、ケアプランの作成と給付サービスの実施は、中立性を確保しなければならないから同一人物は相応しくないですよ、という内容。

 

しかし、高石市はこの「同一人物」を「同一法人」と解釈をし、いうならば規制を強めていたのです。
つまり、Aという作業所で給付サービスを受けている方は、通いなれた信頼のおけるAという作業所でケアプランを作ってもらえず、別のBという作業所でケアプランを作らなければならないという状況がうまれました。
ケアプランとは、障がいをお持ちの方にどういったケアをしていくかということの全体計画を作成し、さらにそれを週間計画に落とし込み、それに沿ってサービスを実施していくというもの。
なので、障がいの特徴はもちろんのこと、家庭環境、性格、今までの育ち方など多岐にわたる情報を把握しておく必要があります。
「今まで通いなれた作業所とは別の法人でケアプランを作成しなくてはならない状況に不安をおぼえている」という利用者のお声は至極当然といえます。

一方で、高石市側の見解にたってみます。
法人内でケアプランの作成と給付サービスの実施している者が同一人物であるかどうかの把握は非常に困難を極めます。
中立性の確保をより強めるために「同一法人」という規制をかけるのは一定理解できる余地があろうかと思います。
また、「中立性の確保」という抽象的な表現を具体化すると「本来必要でない過剰なサービスを提供するケアプランを作成される恐れ」が想定されます。
そのような事態を防ぐため、チェック機能としてケアプランの作成と給付サービスの実施を切り離すということも理解できます。
以上のような理由から高石市は「同一法人」という規制を敷いたということで、利用者を不安がらせるために規制を強めたわけではありません。

 

とはいえ、この規制のために他市の見知らぬ法人でケアプランを作成しなければならないという事態が予見されるようになってきました。
高石市で福祉サービス利用者は403名、ケアプラン作成がお済みの方は232名、ということは未作成の方は171名(3月3日現在)いらっしゃるということです。
平成26年度末(3月31日)が期限なので急いでケアプランの作成に取り掛からねばなりません。
このプランを作成しなければ、来年度から福祉サービスを受けれなくなるからです。(来年度のサービスが決定されている方は、ケアプラン作成の必要はありません)

 

以上のような現状から、同一法人という規制を外して、一人でも多くの利用者の方が安心できる作業所でケアプランを作成できるように要望。

 

この「同一法人」という規制は自立支援協議会が決めたので、高石市も「わかりました」と即答できなかったものの、「利用者の立場にたって考えていきたい」と前向きな答弁をいただけました。

一度決めたことを簡単に変えれないのが行政の体質ですが、勇気ある変更の向こう側には障がい者福祉サービスを利用している方々の笑顔が待っています
ルールと市民の喜びは、お互いが相反する部分があったりもしますが、福祉関係においては杓子定規に厳しくせずに一人ひとりの市民の喜びを求めるのが福祉業務に携わる者の使命だというのが持論です。