【教育】学校給食の給食費適正化に向けて@H28.9月議会
【給食費を公平に】※長いです
学校給食費の滞納問題がクローズアップされることがあります。
「払えるのにスマホ代に消えていってる」とか「就学援助もらってるのに遊興費に充ててる」とか。
では、その給食費というのは、いくら滞納されていて、いくら不納欠損されて、いくら材料費にかかっていて、というのは決算で出てこないんです。
議員がその情報を知るには、請求しないといけません。
(請求しても出してこない自治体もあるでしょう)
なぜか。
それは私費会計だからです。
保護者が学校に直接支払って、学校が献立などの材料を調達するという「役所」を通していないお金の流れだからです。
これでは問題がいくつかでてきます。
・債権者は誰か?
学校給食費は私債権という性質なので民法が適用されやすくなります。おそらく校長先生が債権者なのでしょうが、職務的に相応しくありません。
・契約行為は?
債権と債務はちゃんとした契約行為を結んでおく必要があります。ですが、学校給食費はそんな契約はありません(黙示の合意)。
・滞納したままだとどうなるの?
回収不能になって不納欠損になります。給食が一食単位の弁当なら誰かが負担しないといけなくなるのでしょうが、給食は全員のものを作っているので少々の誤差なら帳尻は合わせることができます。つまり、給食費を支払っている保護者が薄ーく、広ーく、滞納者の未納分を負担し合っているのです。
・法的に不十分
監査、チェック体制が乏しいために会計処理が適正ではない。
・督促事務は学校が担う
ただでさえ忙しい先生が子供たちの未納状況を把握し、滞納対策をしていかないといけません。先生の本分は事務職ではないハズです。
全国の自治体では「こりゃイカン」ということで給食費を私費会計から公会計に変える動きが広まっています。
全事研調査では「公会計している」が34.1%、「検討中」が10.7%、「検討していない」が55.2%です。わが高石市は「検討していない」に含まれます。
これを公会計にすると、決算書に給食費の収支が記載されるので議会のチェックを受けることになります。
公会計のメリットとして・・・
・現場の負担が軽くなる
・保護者の引き落とし口座が学校の指定ではなくなる
・コンプライアンスが確保される
一方で、デメリットとして・・・
・システム改修コストがかかる
・未納状況が表面化される(個人までは特定されません)
私は先の決算委員会で、公会計に向けて調査を始めてほしいと要望しました。
保護者の負担が公平じゃない状態がこのまま続けば、蓄積された不満が顕在化し、保護者同士の関係が築けないと指摘しました。
しかし、学校給食の原点は以下のように児童福祉です。
公会計にすることで貧困を増長させることがあってはならないと留意事項を伝えました。
≪学校給食の原点≫
初めての給食は明治22年、山形県の鶴岡市で生活が貧しい家庭にお坊さんが提供したのが始まり。昭和26年、全国的に完全給食がはじまるが国会で「負担ニ困難ヲ感ズル保護者ニ対シテ適当ナ援助ノ措置ヲナスコト」と付帯決議が加えられる。