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まさかの再議で、給食無償化が実らず…

昨日のブログで「給食無償化の修正案が可決しました!」と報告させていただいたにもかかわらず、本日の本会議で、市長が議会の決定に納得がいかないということで「再議」を発動しました。

▼昨日のブログ

再議とは… 市長が、議会の議決に対して異議があるときに、理由を示して議会に審議のやり直しを求めることです。 再議に付された議決は、過半数ではなく、議長も含めた出席議員の3分の2以上が、その議決結果に賛成した場合に確定します。

再議が発動されると、過半数で可決されていた修正案が、3分の2以上の賛成者が必要になるので、その数に届かずに、修正案は「否決」となりました‥。

さて、その再議を提出しようとした市長の理由ですが、以下の画像のように3点挙げられているのですが、どれも理論としては「弱い」ものでした。

今回は、給食無償化にして欲しいという願いを込めましたが、行政にも一定の裁量権を与えるために、予算の使える余地(給食無償化にするのか、消費喚起策にするのか)を与えるものでした。

なので、消費喚起策を否定し切ってはいないんですね。

ということで、再議理由の1と2は、理由にもなっていない…。

3には、「交付金の限度額全額を活用できず」とあって、一瞬ギョッとしますが、これは財源を組み替えれば活用できます。←答弁で確認済み

ということで、再議の理由があまりにも脆弱なのです。

つまるところ、市長から「組織として予算を編成している。その予算を削減されるわけにはいかない。」というような旨の発言(議事録があがっていないのでニュアンスレベルです)がありましたが、それは議会の否定です。

堺市では物価高を受けて給食無償化に踏み切っています。

高石市もなんとか実現させたかったのですが、実現できずに悔しい気持ちと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ご賛同いただいた議員の皆様、ありがとうございました。
負けずに、子育て世帯に選ばれる街になるよう頑張りましょう!

▼再議への反対討論全文

再議の反対討論 4:01:34~


政治家は行動こそ本音だと考えています。
言葉では、いくらでも言い繕うことができますし、理屈は結局、本音の方につきやすいものです。
なので、行動にこそ本音が表れますし、その行動に伴う結果で我々は評価されるべきだと考えます。

今回の修正案は、子育て世帯の負担を軽減するために学校給食の無償化に、消費喚起策の一部を回して欲しいというものです。
その内容について、予算委員会と本会議で過半数の賛同を得て、決定されたものを、市長から異議があるとし、再議をかけられました。

それこそが、高石市政の本音です。
「子育てするなら高石市」といくら声だかに標榜をしても、それは言葉だけであって、本音とは思われないわけです。

再議を発動されたのは、今回で2回目です。
前回は、公立幼稚園の値上げの時です。

数年後には保育料が無償化になるのに、その間だけを値上げすることを止めるために、無償化までの期間の値上げを据え置きする条例提案でした。
こちらも過半数で可決されたあと、その決定に納得ができないということで、市長から再議が提出されました。

数年後には無償になる公立幼稚園の保育料も議会の決定がされたのに、再議をかけて値上げをする。
学校給食の無償化をするための財源を担保するための修正案も議会の決定がされたのに、再議をかけてその裁量の余地すらも認めない。

これが高石市政の、市民に対する本音です。
再議を発動するのは市長の権限なので、そのものは否定しません。

しかし、前回の公立幼稚園の保育料値上げ据え置きも、今回の学校給食無償化の財源担保も、子育て世帯への負担軽減を、再議をかけてまで止めようとする姿勢が私には議会人として看過できません。
再議の理由が挙げられていますので、それぞれに反対の意見を申し上げます。

1番の「市内の消費拡大と地域経済の活性化を図る」というのは、そもそも「図られている」のであって、正しくは、「図られている状態から、さらに拡大させる」です。で、それに対して、修正案は、さらに拡大させるのであれば、その一部分を生活保障に回してくださいというのが趣旨です。
加えて、修正案は、財源の裁量を行政に委ねているわけですから、再議を出さずとも、その気になれば、キャッシュレス決済のポイント還元として予算執行することも可能なわけです。従って、猜疑の理由としては脆弱です。

2番も同じく、「還元原資に不足が生じないために」とありますが、これも再議を出す必要もなく、不足が生じて一般財源を持ち出したくなければ、交付金を使える裁量を与えているので、こちらも、原案への考え方は理解できますが、再議を提出する理由としては理論が脆弱です。

3番は、「生活者や事業者に対する支援ができない」とありますが、正確には「支援をしているが生活者の一部に届いていない」のであって、それを修正案では「支援を続けながら、消費喚起の一部を生活者の支援にダイレクトに繋げる」という内容です。ここは交付金という資源を消費喚起にフル活用させるのか、交付金の一部を生活保障に活用するのかという見解の相違が見られますが、何度も申し上げている通り、その財源の余地を残しているのが修正案です。

また、「限度額全額を活用できず、速やかな効果が及ばない」とありますが、組み替えは可能なので、修正部分が給食費の無償化やキャッシュレスポイントの還元事業に活用できないとなったら、それは行政が議会の意思を汲まない不作為的な判断を行ったということです。
なので、この理由も猜疑を行う理由としては、非常に弱い立論であるとうかがえます。

先ほど、市長から、行政は組織だから、予算を削減されるわけにはいかないという旨の発言がありましたが、それは議会軽視甚だしく、行政だけが政策を作って、議会はそれに追随をしたらいいという風に受け取れ、独善的な市政運営と言わざるを得ません。

また、修正案は予算の削減ではなく、財源の裁量を与えていると再三、申し上げてきました。

それをご理解されないのは、私たちの提案の一部を都合の良いように切り取っているだけです。

可決された修正案の内容について賛否が分かれてしまったのは、提案と説明の不足があった私自身の力不足もあったと受け止めていますが、議会の決定を覆してまで抵抗される今回の再議に、当然に納得できるものではなく、反対の意を表して討論といたします。