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令和7年度施政方針

令和7年度の施政方針をお示しいたします。


 私が令和5年4月に高石市長に就任してから、もうすぐ2年が経とうとしています。

 昨年は、市長就任後初めて編成した予算が確定し、決算認定を受ける過程で高石市の今後についての課題が浮き彫りとなった1年となりました。
 昨年の10月から11月にかけて、高石市の抱えている課題と今後の見通しについて、市民の皆様に直接ご説明するため、市長タウンミーティングを開催いたしました。この中で一番お伝えしたかったことは、高石市の財政状況についてです。令和5年度決算における実質公債 費比率と将来負担比率は、大阪府内の市で最も高い比率となっており、普通建設事業費や公債費、地方債残高が高いことが本市の特徴と言えます。今後の収支見通しでは、令和10年度頃には財政調整基金が底をつく、という見通しとなりました。今後も持続可能で安定的な行財政運営を行うためには、早急に対策を講じる必要があります。そこで、「公共事業の見直し」、「事務事業の見直し」、「稼ぐまちとして歳入確保」の財政改革の3本柱を掲げ、これらを確実に推し進めることで、この困難に立ち向かっていかなければなりません。
 この中でも、特に「稼ぐまちとして歳入確保」については、自主財源の獲得に向けて最優先に取り組む必要があります。現在、本市の歳入確保施策として、主なものに、ふるさと寄附金があります。令和5年度の高石市へのふるさと寄附金額は、約2,700万円となっております。令和6年度からは、地場産品開発・改良支援事業補助金を創設することで事業者の皆様からの積極的な返礼品登録を加速化させてまいりました。また、プロカメラマンによる返礼品撮影会を開催することで、既存の返礼品に関しても、より魅力が伝わるよう磨き上げを行いました。その結果、令和6年12月末時点で6,000万 円を超える過去最高額のご寄附をいただきました。そして、後ほど述べます『第3期高石市まち・ひと・しごと創生総合戦略』におきましては、さらなる高みを目指し、令和11年度までに年間6億円とする目標を設定いたしました。この金額には、市の地方創生の取り組みに対する企業からの寄附金である企業版ふるさと納税も含まれております。

 この目標を達成するために、全職員の発想や知見などを結集させ、さらなる寄附金の獲得に向けた取り組みを 進めるとともに、各部局の政策を実現させるために、組織横断的にタッグを組み、取り組みを進めてまいります。また、職員のたゆまぬ努力はもちろんのこと、市長自らがトップセールスを行い、高石市の魅力を発信し、施策に賛同いただくことができるよう積極的に働きかけてまいります。しかしながら、行政の努力のみでは、このふるさと寄附金の歳入を劇的に向上させることは難しいと考えます。高石市の魅力発信や返礼品のさらなる充実を図るためには、オール高石で取り組む必要があり、すべての力を結集しなければならないと考えておりますので、ぜひとも皆様のお力もお借りしたいと思います。
 歳入確保に向けて取り組み、自主財源の比率を高めることで、持続可能なまちの循環を生み出します。それが、未来の高石市を担う世代に向けての責務だと考えております。
 また、『高石市まち・ひと・しごと創生総合戦略』につきましては、第2期が令和6年度末で計画期間を終了いたします。第3期総合戦略の策定に向け、若手職員中心に立ち上げた『高石市人口減少対策プロジェクトチーム』のメンバーを筆頭に庁内で議論を重ねました。これまでの地方創生の方向性は継承しつつ、デジタル技術の 活用や地域間・広域連携など新たな視点を盛り込んだ、本市の人口減少問題の歯止め施策と人口減少社会への適応施策の核となる第3期総合戦略を策定いたしました。令和7年4月からの5年間を計画期間とし、「人と想いを未来へ紡ぐ 選ばれるまち たかいし」という地域ビジョンの達成に向け、全庁を挙げて人口減少対策に取り組んでまいります。
 地方創生に関する国の動向としましては、内閣官房において「新しい地方経済・生活環境創生本部」を立ち上げ、今後10年間集中的に取り組む基本構想が策定されます。地方創生の原点に立ち返り、産官学金労言から成る地域のステークホルダーが知恵を出し合い合意形成に努めるなど、新たな地方創生施策を展開することが、より一層求められます。
 第3期総合戦略の策定に併せ、国においても新たな地方創生についての施策展開がなされるこのタイミングをチャンスと捉え、公民連携の推進と稼ぐ力の強化により地域の成長力を高めてまいります。
 本定例会においてご審議いただく、令和7年度当初予算(案)につきましては、社会保障関係費の増加や人件費の上昇、物価高騰等の影響により、引き続き厳しい財政状況となることが見込まれます。
 このような財政状況の中、新たな財源確保や事業費の精査等に一層注力し、安全安心のための都市基盤整備や公共施設等の老朽化対策の継続、人口減少・少子高齢化への対応など様々な行政課題に取り組んでいく予算編成となっており、歳入歳出予算287億9,767万8千円、昨年度当初予算と比較し、17億5,662万8千円増加しております。

 それでは、主な施策及び今後の方針につきまして、『第5次高石市総合計画』における5つのまちづくりの目標に沿って概要をご説明申し上げます。

はじめに、「明日の担い手を育む」についてであります。

 少子高齢化が進む中、市民が安心してこどもを生み育てられること、本市の将来を担うこどもが心身ともに健 やかに育ち、たくましく生きていく力を培うことが何よりも重要であることから、新たに高石っ子基金を設置し、これらの課題解決に向けた施策の充実に取り組んでまいります。
 本市における子育て支援策といたしまして、子育てパパ、プレパパが相談できる窓口を創設し、父親の育児参加を促す父子参加教室を開催するなど、男性の育児への参加を促進いたします。核家族化が進み、地域のつながりが希薄となる中、孤立感や不安感を抱く妊産婦、子育て家庭が増加し、結婚・出産に前向きになれない若者が増えるなど、出生数の減少は本市においても顕著となっておりますが、女性だけが過度な負担を抱くことなく、パートナーが共にやりがいをもって、こどもを育てられる家族の形成を支援してまいります。その好例となるべく、庁内においても男性職員の育児休業取得の促進を図るため、積極的な制度の周知や取得しやすい職場環境の醸成に、より一層取り組んでまいります。

 市内の保育環境につきましては、令和5年度、令和6年度と待機児童が発生し、今後も保育士不足などによる厳しい状況が続くと考えられるため、令和6年度から実施している保育士就職支援補助事業は、保育士の雇用促進策として引き続き、実施してまいります。
 また、保育の新たな受け皿として、公共施設の空きスペースを有効活用し、民間事業者と連携のうえ、令和8 年度からの小規模保育事業所の開所を目指してまいります。
 学校給食につきましては、物価高騰が引き続き長期化する中で、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、令和6年度に引き続き、令和7年度につきましても、習い事や部活動など教育費の負担が大きい市立中学校において、無償化を実施してまいります。また、市立小学校につきましては、食材の物価高騰分に対して補助を行うことで、保護者の負担が増加しないようにいたします。

 学校教育につきましては、たかいし教育ビジョンの基 本理念である「生きる力と夢を育む『教育のまち高石』の実現に向けて」取り組んでおります。次代を担うこどもたちが自らの夢や目標に向けてたくましく生きる力を培うため、先進的な事例を調査研究し、有識者のご意見 もいただきながら、より質の高い教育を提供できるよう、新たに本市独自の教育施策の検討を進めてまいります。

  ICT 教育の推進においては、令和7年度にタブレット端末の更新を迎え、高石市 GIGA スクール構想・第2期「TAKAISHI スタイル」のもと、1人1台端末等を活用した個別最適化された学びや授業における効率性など、さらなる検討を加え、こどもたちの学習環境と授業の改善に取り組んでまいります。その上で、近年急速に進化を遂げている生成 AI について、学校の中での効果的な活用について研究を進め、複雑化する時代の中で生き抜くこどもたちに必要な資質・能力を育んでまいります。
 次に、児童生徒の不登校対策についてです。令和5年度の文部科学省調査では全国の小中学校の不登校生徒児童数が11年連続で増加となっております。本市における不登校につきましては、小学校は増加傾向が続いておりますが、中学校は令和3年度をピークに減少傾向となっております。不登校の児童生徒の教育機会の確保を図るため、令和5年度より大阪府の不登校対策事業を活用し、校内教育支援ルーム、教育研究センター内の適応指導教室において、不登校のこどもたちに向けたオンラインシステムの活用等、重層的な支援体制の構築に努めてまいりました。令和7年度は、小学校全校において校内 教育支援ルームを設置し、個別のニーズに応じた相談体制や ICT を活用した個別の学習支援など、幅広い支援を実施するとともに、不登校未然防止、早期対応、継続的な支援の取り組みを進めてまいります。
 学校施設の適正管理につきましては、令和6年度に学 校施設の外壁などの劣化状態を確認いたしましたところ、改修工事が必要と判断しましたので、令和7年度から順次実施してまいります。
 社会教育につきましては、高師浜総合運動施設運動広場、テニス場、管理棟研修活動室の照明を LED 化し、スポーツ環境の整備を進めてまいります。
 青少年健全育成に関しては、放課後にこどもたちが安 心して遊べる場を確保するため、令和7年度より試行的に、高石小学校において校庭を開放する事業を実施いたします。

 また、人とのつながりが失われ、こどもが孤立することなく成長できるよう、こどもの居場所づくりの推進を図ってまいります。
 人権施策につきましては、現在、「高石市人権施策推進基本方針」の改定作業を進めており、改定後の基本方針に基づいたネット上の誹謗中傷や人権侵害をはじめとするあらゆる差別の解消のために、人権に対する施策を進め、人権が尊重される誰ひとり取り残さない社会づくりを推進してまいります。
また、令和6年度から2名の女性相談支援員を配置し、困難な問題を抱える女性の支援を行っており、関係機関と更に連携し、相談体制を充実させて適切な支援を進めてまいります。

第2に、「みんなで支え合い、健やかに過ごせる」についてであります。
 健康施策につきましては、これまで「健幸のまちづくり協議会」を中心に展開してまいりましたが、ゼロベースで見直しを行い、約3,000万円の財政負担を抑制したうえで、より多くの市民が参加できるよう、新たな健康施策に取り組んでまいります。
 主な内容としましては、スマートフォンアプリを活用し、ウォーキングや健康づくり事業への参加に応じて健康ポイントを付与することに加えて、アプリの利用者それぞれの健康状態の「見える化」を図るとともに、利用者ごとに適した健康情報を発信することなどにより、健康に資する運動や検査・検診に関する意識の向上を図ってまいります。
 また、年齢を重ねた方々には、地域ボランティアの皆様のサポートと医師、保健師、理学療法士など多職種の参画によるフレイル対策など、介護予防の取り組みを進めてまいります。
 さらに、生活習慣病の改善・予防対策をより一層推進するとともに、公民連携により、市域全体で健康づくりを推進し、若い世代から高齢者まで、生涯にわたる市民の健康増進を図ってまいります。
 また、本市ではこれまでも超高齢社会を見据えた支援体制である地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいりましたが、医療・介護の現場においては、支援の連携などにおいて、まだまだ課題が山積している状況です。すべての団塊の世代が後期高齢者となる令和7年以降は、喫緊の課題と捉えて、医師会をはじめ、市内の介護事業 者や地域ボランティアの皆様としっかり連携し、医療や介護が必要になった場合でも長年住み慣れた地域で安心して生活していただくための支援体制を充実させてまいります。
 このように、若い世代からの健康づくりや高齢者のフレイル対策、さらに医療・介護が必要となった時の支援などをそれぞれ強化し、一気通貫の行政サービス「高石モデル」の構築に取り組んでまいります。
 次に、福祉バスにつきましては、昨年実施しました実証実験やアンケート結果、利用状況などを踏まえ、高齢者や障がいのある方などの外出促進や社会参加などを推進するために、福祉バスの日曜日運行やダイヤ改正を実 施し、福祉バスのさらなる利便性の向上に努めてまいります。
 また、すべての市民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いの人格と個性を尊重し合いながら、安心して心豊かに暮らすことができる共生社会の実現を目指すため、「高石市手話言語の理解及び普及並び にコミュニケーション手段の利用を促進する条例」を提案いたします。
 主な取り組みとしまして、市民の皆様を対象とした手話体験講座を実施するとともに、小中学生を対象に手話に触れる機会を提供することなどにより、広く手話の理解促進及び普及を図ってまいります。また、市内事業者を対象にコミュニケーション支援ツールの購入助成を行うことなどで、筆談・音訳・点字などの「コミュニケーション手段」が利用されやすい環境の整備を進めてまいります。
 次に、孤立ゼロプロジェクトにつきましては、社会福祉協議会と地域ボランティアの皆様が参画する訪問サポーターが、市内の各世帯を訪問し、支援が必要であるにもかかわらず、求めることができない方などとのつながりを構築し、支援につなげております。
 また、令和6年度より開始したボランティアポイント 事業につきましては、コミュニティカフェやいきいきサロンなど「集いの場」の運営支援の担い手として、500名を超える方に登録いただきました。令和7年度はポイント付与の対象となる地域福祉活動を拡充し、広く担い手の確保に努めてまいります。
 今後も、ニーズに合った新たな支援制度の開拓や既存事業の拡充など、重層的な支援体制を充実させ、孤立・孤独の解消や地域共生社会を実現してまいります。

第3に、「安全・安心で快適に暮らせる」についてであります。
 防災力の強化につきましては、災害時の情報を市民へ 迅速かつ正確に伝達ができるよう防災行政無線をはじめ、広報紙、市ホームページ、LINE、エリアメール、テレホンサービスなど、様々な方法により情報伝達ができるよう進めてまいりました。
 さらに情報伝達の多様化を進めるため、市内各所に固定系防災行政無線屋外拡声子局の更新をはじめ、確実に情報を取得いただけるよう、自主防災組織や各公共施設 等に戸別受信機を導入いたします。
 また、市内3箇所にデジタルサイネージを設置し、屋外でも視覚的に災害情報等を取得できるよう進めていくとともに、登録いただいた方へ防災に関する情報がメール配信されるサービスも実施してまいります。
 さらに市民が緊急時に休日や夜間でも指定一時避難場 所を解錠できるよう仕組みを構築してまいります。また、市災害対策本部と災害現場、各指定避難所等との通信のため、移動系防災行政無線を更新し、情報伝達手段の強化を行ってまいります。
 防災に関する訓練につきましては、昨年11月に実施しました総合防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」のノウハウを活用し、より実践的な訓練を実施してまいります。また、自主防災組織と連携し防災訓練の支援をするとともに、さらなる地域防災力の向上に努めてまいります。
 新たに、妊産婦や赤ちゃんがいる家庭を対象とした防災訓練を市立母子健康センターと連携しながら、進めてまいります。
 災害時等に必要となる防災用備蓄品につきましては、台風やゲリラ豪雨などの自然災害が激甚化し、南海トラフ巨大地震の発生確率も高まる中、順次備蓄を進めてまいりました。昨年発生した令和6年能登半島地震等を踏まえ、国の交付金等を活用し、組み立て式災害用トイレや携帯トイレ、簡易テント・ベッド等、備蓄品のさらな る拡充を図り、避難所における良好な生活環境の確保に努めてまいります。
 消防施設につきましては、平時の火災に加え、大規模災害時に内陸部や臨海部の市域全体に係る重要な防災活動拠点となり、複雑多様化する災害に対して的確かつ迅速な消防活動を行う必要があること等から、老朽化が進 んでいる高師浜出張所につきまして、令和9年度末の完成を目標に、建替に係る設計を行ってまいります。
 次に、住民・企業・防犯協会や高石警察署などと連携を図りながら、犯罪の抑止や被害の未然防止対策として、防犯カメラの効果的な配置検討を進め、より安全安心なまちづくりを目指した取り組みを引き続き進めてまいります。
 また、特殊詐欺対策につきましては、高齢者に対する 自動通話録音装置の無料貸出や特殊詐欺対策機器の購入補助に加え、包括連携協定を締結している市内各郵便局のATMにセンサー付き音声装置を設置し、被害防止に必要な周知、啓発を行ってまいります。

 消費生活センターにつきましては、消費生活や消費者トラブルに対する相談内容が複雑化、高度化していることから、広域に連携して対応できる体制づくりに向けて 泉大津市、忠岡町と勉強会を立ち上げ、今後も引き続き協議してまいります。
 南海本線・高師浜線連続立体交差事業につきましては、昨年4月に高師浜線が運行再開し、同事業における鉄道高架化がすべて完了いたしました。今後も関連側道の早期開通に向け、事業主体である大阪府及び南海電鉄と連携し進めてまいります。
 南海中央線整備事業につきましては、東羽衣地区の早 期開通を目指すとともに、東羽衣第2地区も計画的に用地買収を進めてまいります。
 下水道事業につきましては、ストックマネジメント計画に基づき、管路及び施設の適正な維持管理に努めてまいります。集中豪雨による浸水被害の軽減対策としまし ては、清高小学校、清高幼稚園付近の雨水管整備を引き続き取り組むとともに、南海中央線整備事業に伴う雨水幹線等の整備を計画的に進めてまいります。

第4に、「人を惹きつける魅力と活力があふれる」についてであります。

 公園施設最適化プラン・公園機能の維持管理につきましては、先に実施したワークショップでのご意見等を踏まえ、公園愛護会等の皆様に加え、新たなボランティアの方が積極的に関わっていただける仕組みづくりを進めてまいります。
 また、蓮池公園につきましては、引き続き用地買収に取り組んでまいります。
 全国的な課題となっております空き家対策につきましては、空家特措法の改正に伴い、本市の空家等対策計画に管理不全空家等の取扱いについての位置づけを令和6年度末に変更いたします。なお、適正に管理されていない空き家は、安全性の低下、公衆衛生の悪化、景観の阻害などのさまざまな課題を有しておりますので、特定空家等に至らないように未然に防ぐため、今までの取り組みに加えて、管理不全空家等に対しての対策に取り組んでまいります。
 地域資源の活用といたしましては、公民連携推進協議会がマネジメント役として、市民や民間事業者とのマッチングを行うことにより、旧保健センター等の公共の遊休施設や市内の空き家等の利活用に取り組み、地域の活 性化や地域の魅力向上を図ってまいります。また、旧市民会館、図書館の活用につきましては、これまでは市と民間事業者で検討を行ってまいりました。今後は、隣接する臨海スポーツセンターや浜寺公園との一体的な活用について、大阪府とも意見交換を行うなど、引き続き民間活力による魅力的な施設の誘致を目指してまいります。
 また、公民連携の取り組みにつきましては、昨年11月に市としての考え方や立場、ルールを示した高石市公民連携ガイドラインを作成いたしました。これをもとに、今後は企業、大学等との幅広い連携やネットワークによるサービスの拡充、行政だけでは困難な社会課題の解決を目指す取り組みを積極的に取り入れてまいります。
 地域振興施策につきましては、広域連携協定を結んでいる泉大津市及び忠岡町との連携による周遊企画事業をはじめ、Instagram 投稿、YouTube 動画配信による地域の魅力発信により、フォロワー・チャンネル登録者数を大幅に増加させる取り組みを進めてまいります。

 ふるさと寄附金につきましては、さらなる大幅な増加を目指して、市内事業者と連携し、引き続き地場産品開発・改良支援事業補助金を活用のうえ、新規返礼品登録を積極的に進めるとともに、Instagram をはじめとする SNS 投稿による地場産品の魅力発信を行います。また、企業版ふるさと納税におきましても、社会課題解決に向けた取り組みや地域活性化、持続可能なまちづくりの推進のための財源確保に向け、全庁的・戦略的かつ積極果敢な営業活動を展開し、さらなる拡充を図ってまいります。

 次に、本市の主要駅の周辺整備についてであります。

 高石駅周辺につきましては、リニューアルした駅前広 場の活性化を促進するとともに、高架下等周辺整備を官民共創で取り組み、多世代が交流・滞在し活躍する場を目指し、整備に向けて進めてまいります。
 また、高石駅西土地区画整理事業は、引き続き見直しの検討を進めるとともに、駅周辺エリアと連携した都市基盤整備を検討してまいります。
 羽衣駅周辺につきましては、羽衣駅周辺整備基本計画に基づき周辺道路及び駅前広場の実施設計を行うとともに、エリアマネージメントを見据えたワークショップ等で、市民が駅前広場の管理運営や賑わい創出に積極的に関わることが出来るような仕組み作りを検討してまいります。
 富木駅周辺につきましては、JR 西日本と今後のまちづくりに向けた勉強会を開催し、駅周辺のにぎわいや沿線の活性化について検討を進めてまいります。
 伽羅橋駅周辺につきましては、地元の方々や駅周辺の事業者を対象に意見を聴取し整備に向けた方針を検討してまいります。

第5に、「持続可能なよりよい未来へつなぐ」についてであります。
 泉北クリーンセンターで発電したグリーン電力につきましては、これまで試行的に公共施設へ電力供給してまいりましたが、令和7年度に地域新電力会社を設立し、 本格的にエネルギーの地産地消や地域脱炭素に向けた取り組みを推進してまいります。
 次に、堺泉北臨海コンビナートとの連携であります。

 産業部門から排出される温室効果ガスが市域全体量の8割以上を占めることから、コンビナートの脱炭素化が最大の課題の1つでございます。
 現在、当該コンビナートにおいて、燃やしても CO2が発生しないアンモニアの供給拠点の整備を目指す取り組みが行われております。これは、大阪の産業における技術開発、脱炭素社会に向けた産業構造の転換を、企業・ 大阪府・高石市が一丸となって取り組むもので、エネルギーの歴史が変わる取り組みと期待しております。
 昨年11月、私自身も企業の皆様とともに大阪府知事を訪問し、地元自治体として緑地面積率緩和等により当該事業を後押しする旨を申し上げ、互いの連携を確認いたしました。
 これらの事業を加速させ、広域的な視点で大阪府等と意見交換しながら GX への取り組みを進め、2050年ネットゼロに向け、経済と環境が共生するまちを実現してまいります。
地域コミュニティにつきましては、令和6年度に、新たな担い手の発掘と活動の継続・発展を支援するための補助事業を創設し、新たに生まれたコミュニティや既存の地域コミュニティからの新たな活動など、令和7年1月末時点で26件の様々な団体に対して補助を実施いたしました。令和7年度においても、制度周知の強化に努めるとともに地域の活動が継続されるよう、引き続き、プレイヤーの意見を聞きながら支援してまいります。
 また、市民参加の促進につきまして、高師浜にある大 阪湾最北端となる自然の砂浜において、海業の推進や環境改善、にぎわいづくりにおける経済循環促進の観点から、砂浜活性化プロジェクトを立ち上げ、多くの市民や民間団体も参加いただき、清掃活動や稚魚放流、マルシェなどを開催いたしました。これらの取り組みに対し、様々な方に関心を持っていただき、3月にはNPO法人の協力のもと生物の生息環境を改善し、「海のゆりかご」と呼ばれるアマモの移植イベントの開催も予定しております。今後も様々なプレイヤーと公民連携による取り組みを進め、さらなる砂浜の活性化を図ってまいります。
 市政に関する広聴活動につきましては、「市民の声」提案箱や市民アンケート、ワークショップや説明会の開催などの取り組みを実施してまいりました。今後、更に多くのご意見を頂戴するため、市民の皆様のもとにこちらから出向き直接対話できる機会を設けてまいります。

 行政運営のデジタル化につきましては、人口減少社会、高齢化社会において、より効率的かつ効果的な行政運営が求められる中で、電子による申請ができる事務の拡充など、現在行っている自治体DXをより推進していくことで、市民サービスの向上と業務の効率化を図ってまいります。
 令和7年4月から開催される大阪・関西万博につきましては、「祭」をテーマに大阪府内の自治体が連携・協力し実施される大阪ウィークへ参加し、高石市が誇る伝統文化である「だんじり」の出展を地域の皆様との協働により実現させるとともに、市内団体や事業者等と連携し、高石市出身のアーティストなどのご協力のもと、 高石市の風景、歴史などをアートで表現する取り組みや市民による創作活動、来場者による体験型イベントを通じて高石市の魅力を国内外に発信することで万博を盛り上げてまいります。また、万博を契機とした国際交流事業としてマダガスカル共和国との交流も引き続き進めてまいります。本市としましても、市内在住の4歳から17歳までのこどもたちを対象に、最先端の技術・サービスに直接触れ、将来に向けた夢を持ってもらえるように、万 博の招待事業を行います。

 以上、令和7年度の主な施策の概要につきまして、ご説明申し上げてまいりました。

 今年は万博を契機に、大阪が世界に注目される1年となります。この万博では『いのち輝く 未来社会のデザイン』をテーマに人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアが創造、発信されます。万博を通じて得られる新たな視点やアイデアが、高石市のミッションである社会課題解決のトリガーとなり、豊かな市民生活の実現を後押しするものと考えます。さらに、令和8年は、市制60周年を迎えます。高石市政の 灯(ともしび) を、次世代に引き継ぐためにも、持続可能なまちの循環を生み出すことで70周年、80周年、そして100周年へと脈々と続く市政運営を目指してまいります。

議員各位並びに市民の皆様のご理解、ご支援、ご協力を賜りたくお願い申し上げ、

令和7年度の施政方針とさせていただきます。