再び、東北へ。
9日、10日と9カ月ぶりに東北へ行ってまいりました。目的は福島の現状把握と、被災地の復興へのアプローチを学ぶことです。
一日目は福島県。福島県庁にてAFTC~たむらと子どもたちの未来を考える会~の半谷講師をお招きし、講演を受けました。
かなり専門的で科学的な内容だったので、いまだに消化できていない部分もありますが、総じて風評被害におけるダメージは予想以上のもので、マスコミの流す偏向的な報道が福島を苦しめているという現実を見せつけられました。
農林水産業においては出荷自粛、制限、入荷拒否、価格下落など、製造業においては納入拒否、工場の県外移転、観光業においては、予約のキャンセル、9割減となった会津若松市への修学旅行、福島からの避難児童に対するいじめ、避難者受け入れ拒否など、被災していない私たちがいくら「復旧復興支援のために避難者を受け入れ、現地の野菜を購入し、福島を援けよう!」と行動していても、想定以上に悲惨な現場の情況でした。
県庁としては、「除染なくして復興なし」と掲げ、除染対策を最優先課題と位置付け、試行錯誤のなか懸命に対応されています。しかし、(1.0mSv/Y未満の地域においても)除染ボランティアも風評被害による影響などでなかなか集まらないということでした。
講演の内容も「福島のモノは全て汚染されているので危ない」という極論でもなく、「放射能なんてそこまで危険なことないんだから」というオールオッケーでもなく、食べるのに控えた方がいい食材はこれとこれ、安心して食べれるものはこれとこれ、というものを野菜の育ち方、魚の生息区域といった科学的、生物学的な分析をもとに学ぶことができました。
しかし、いくら情報が正しくても消費者が間違った情報による不安を抱えたままでは、根本的解決には至りません。正しい情報の啓蒙も大切ですが、情報ソースの確実な機関が統一的見解を示すことができればいいのですが、国の信頼性は今や失墜しているので、本当に難しい問題だと、歯がゆく思え胸が痛くなりました。
二日目は、宮城県の七ヶ浜町。高石にもあるJXのコンビナートを抱える自治体です。町並みが非常に綺麗に整理されていて、昨日の福島の現状も比較すれば「あぁ、もう復旧は進んでいるんだなぁ」と表面的な感想を抱いてしまいました。
町役場にて、復興への対策会議でお忙しいなかお邪魔をし勉強をさせていただいた後、バスにて駅へ向かう途中、私が抱いた表面的な感想は一変しました。
そこには、未だに山積みされているガレキ、海水が引いていないエリア、波に持って行かれた家屋は剥き出しにされた基礎がそのまま残されていました。
バスの道程の途中、公民館や病院で乗降されていたお婆ちゃんは、物悲しい表情になり、「この道を通るたびに、思い出してしまうんやろなぁ」と改めて災害というものは、無情で残酷なものだと認識させられました。
私が、高石でしなければならないこと。
より具体的に、より明確にさせられた二日間でした。