【財政】ファシリティマネジメントについて @H25.6月議会
「ハコモノ行政」と聞くと、皆さんはどういうイメージを抱かれるでしょうか?
おそらく
「不要不急の施設ばかりを建てて、ソフト面の市民サービスにはオカネが回っていない」とか
「選挙のPRのためにシンボリックな事業ばかりしている。」とかだったりするのでしょうか。
ハコモノ行政による功罪の罪の部分において、私が懸念しているのは「建てたら、建てっぱなし」ということです。
私の今回の質問は、ハコモノ行政が招いた罪のなかでも、未来への贖罪を果たすことを求めました。すなわち、「建てたら、ちゃんと管理しよう」という至極当然のことです。
それは、ファシリティマネジメントと呼ばれます。日本語でいうと「公共施設の適正管理」となりますが、解釈の幅がいたずらに拡がるおそれがあるので、ファシリティマネジメント(FM)と呼称します。
マンションの例をよく使いますが、
分譲マンションは10年~13年後にしなければならない大規模修繕に向けて積立を定期的にやっています。不足がでるものなら住民の月々の積立金額も変更を余儀なくされ、負担が増えます。
行政は積立をしていません。
どころか、修繕に要するコストも把握していません。
どころか、計画的な修繕もやってません。
これでは問題です。
この問題が大きく騒がれたのが、高石市の小中学校耐震化全国ワースト1という報道でした。
施設の耐震化をしなければいけないのに、アプラや診療センターなんかを新設し、お金を遣い込んで、いざとなったらできなくなった。という笑えない冗談みたいなお話です。
結果的に、国の政策に助けられる形で高石市は耐震化を進めることができたのですが、これはラッキーとみなければなりません。(もちろん努力は認めたうえで)
そして、こんなラッキーは「次はない」と思わねばなりません。
だから、今のうちから施設を管理するための計画を作りましょうと、私は考えるのです。
さて、このファシリティマネジメント(FM)には次の行動段階に分けられます。
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Aについては、高石市は実はできています。当たり前のことなのですが、こんなこともできていない自治体もあるのです。
Bについては、50点といったところです。小中学校なら教育委員会、保育所なら福祉部というように公共施設はその役割で担当が異なります。
ですので、修繕の予算要望をしても査定され「今年はあんまり貰えなかったから修繕できないや」という事態になってしまいます。これは計画的といいません。
今のように、各担当で修繕を担うのではなく、全庁的な取り組みが必要不可欠です。
そして、なによりも。
市内にある公共施設をすべて老朽更新するならば「本当はいくら必要なのか」を算出せねばなりません。
そして、「いま実際にかけている修繕等の費用」がその金額に足りているのかどうかを弾き出して、施設のあり方を検討していくのですが・・・これができていません。
下の図のように、不足分が発生しているならば、どのようにしてその差を解消していくかを考えなければなりません。
そして、Cのとおり計画策定、Dの計画遂行へと移っていくので、このBの段階が肝腎要の部分といえます。
差を埋めるためには、様々な手法があります。
統廃合、転活用、基金の積立、長寿命化、建替などなど。
この選択をいつまでも未来に先延ばししていてはいけません。
いまのうちから手を打ちましょう。
初めての試みなので、明確な答弁は得られませんでしたが、これからも行政に 訴えていきます。
この施設にかける維持管理費用の較差の最適化をしなければ、この較差は未来に受け継がれます。ツケとして。
何度も言うように、それが小中学校の耐震化率全国ワースト1という不名誉だったのです。
未来への責任を果たす。
このことを6月議会の一般質問、メインテーマとして提案しました。