学校給食の無償化へ。修正案、委員会通過。
12月議会の予算委員会において、市内消費喚起のためのキャッシュレス決済ポイントの増額部分を削って、学校給食の無償化に繋げる内容の修正案を提案し、賛成多数(賛成8:反対6)で可決しました。
残すは、本会議で可決されるかどうかにかかっています。
※今回の減額させる部分は増額分なので、決して、キャッシュレスによるポイント還元を無くそうというものではありません。
詳しい内容について、ご説明します。
■今回の補正予算の内容とは。
市内消費喚起のためのキャッシュレス決済ポイント事業というのは、昨年もおこなわれたPayPayによる支払いで20%のポイントが付与されるというもの(下の資料参照)。
今回の補正予算は、その還元分を増やすというものでした。
昨年(R3)の実績は、1,615万5,000円でした。
今年の見通し(R4 当初予算)である2,324万9,000円から、さらに2,325万円を増やそうとする内容。(下表参照)
ほぼ倍増させるのですが、その理由は、PayPayの普及率が増えたこと、取扱事業者が増えたこと、マイナポイントが推進されていること、今年(R4.1月)は蔓延防止期間で消費が控えたけど来年(R5.1月)は消費が増えるという見通しがあることなどです。
■キャッシュレスのポイント還元には慎重に
キャッシュレス決済自体は利便性が高いので市民さんからすれば使いやすいものですが、懸念しているのは行政が深入りして助長するようなことをしていいか、私は疑問に考えています。
一つ目は、一部業者の寡占状態にあるかも知れないのを行政が後押ししても良いものかということ。
二つ目は、恩恵を得られる市民が固定化している(未使用の方も多い)にも関わらず、繰り返し行われていること。
三つ目は、富が市外に流出し続ける仕組みになっていること。
使いやすいという点から、経済効果を期待できる手法であることは一定認めるものの、予算を増額させるのであれば、もう少し公平に行き渡るような政策を打つべきというのが私の考えです。
■経済対策と生活保障
経済対策とは、地域経済が活性化され、雇用などが創出される住民福祉の基盤を整えるという性質のもので、生活保障とは、生活困難に陥らないように様々な支援を行うことと考えています。
高石市の独自政策は、全体的に経済対策に偏っています。
その偏りのバランスを整える意味でも、学校給食の無償化(生活保障)を1ヶ月でも2ヶ月でも実施してほしいというのが、今回の修正の目的。
キャッシュレスなどの消費喚起は、喚起という名前通り、そもそもの消費を伸ばしてほしいという経済対策。つまり、元々にある使いしろを高めること。
給食などの生活保障で生まれる経済対策は、義務的な負担を軽減させることにより、元々あきらめていた方々の使いしろに繋げること。
しかし、今、コロナ禍×物価高などで、そもそもの消費が減少しています。
その消費を喚起しても、買い物したくてもできない方々へも保障することが必要ではないでしょうか。
■人口減少への対策にも
加えて、高石市は人口減少の真っ只中。
このままいくと、20年後には、約15,000人の人口が減少し、4万人を下回るという推移が出ています。
子育て世帯への負担軽減を打ち出して、人口減少に歯止めをかけないと、そもそもの消費者が少なくなるという長期的視点が必要です。
わたしは、そのためにも「選ばれる街」として、高石市を元気にすることが最優先課題だと捉えていることから、今回の給食無償化を実現させる修正案を提出しました。
ちなみに、修正案が委員会を可決通過したのは6年ぶりのことでした。